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命守る要望 実現訴え 自治体キャラバン愛知県と懇談

切実な要求の実現をと訴える森谷氏=8日、名古屋市中区

 愛知県内の全自治体を訪問して社会保障制度の充実を求める自治体キャラバンは8日、愛知県と懇談し、「地域住民の命と暮らし、健康を守る自治体の役割を発揮してほしい」と要望しました。

 県社保協、愛労連、医療団体などでつくる実行委員会の主催。森谷光夫実行委員長(県社保協議長)ら27人が参加しました。

 森谷氏は「コロナが社会保障制度の矛盾や脆弱さを明らかにしたのに、政府はいっそう弱者を切り捨てようとしている。県民の命と健康を守るため、切実な要望を実現してほしい」と訴えました。

 安心できる介護保障では「介護保険料準備基金の取り崩しや低所得段階の倍率を低く抑えるなど高すぎる介護保険料の引き下げや応能負担を強めるよう指導してほしい」。高すぎる国保料(税)では「昨年の所得がゼロで、今年もゼロだと国保減免対象から外れる。コロナで営業できず、本当に困っている業者を救えない制度になっている。改善してほしい」、「国保料(税)を分納している世帯には資格証明書でなく、正規の保険証を発行してほしい。役所に行って相談することが感染リスクを高めている。コロナは災害であり緊急事態だと認識を持って取り組むべきだ」。子ども医療費について、中卒までの通院を無料にする自治体が急速に増えていることから、県の補助基準を引き上げ、全体を底上げするよう要望しました。

 県の担当者は「保険料額は各市町村の判断であり、県は指導する立場ではない」、「所得ゼロ世帯が対象にならない不公平な現状は把握しており、国に情報提供している」など冷たい対応が続きました。

 生活保護の申請では「親族への扶養照会はしないでください」と要望。県の回答が「扶養照会を行わないことができる」となっているため、参加者は「あいまいな表現でなく、国の方針通り『基本的には照会しない』とした明確な立場をとるべきだ」として、回答の訂正を求めました。県は「福祉事務所には、国の通知通りに実施するよう通知している。回答内容は再検討したい」と答えました。

(11月12日 しんぶん赤旗)