反貧困ネットワークあいちは22日、名古屋市内で、コロナ禍で広がる貧困の実態を学び、どう支援していくか考える学習講演会を開きました。オンラインを含め35人が参加しました。
樫村愛子・愛知大学教授が「コロナ禍と女性の貧困」と題して講演しました。樫村氏はコロナ禍で女性の失業・休業者が男性に比べ急増し、学校・保育園の休校・休園により女性の育児・家事負担が増え、子育て女性の賃金が減少していることなどを詳細に報告。「コロナ禍で顕在化した問題とその背景を踏まえ、男女共同参画を協力に推進し、誰ひとり取り残さない多様性ある社会実現へ運動をするべきだ」と強調しました。
貧困者の生活相談や支援を行っている名古屋市のNPO法人役員は、ダブルワークをしていた母子家庭収入激減や、夫のDVから逃れた女性が児童扶養手当が受けられない等の相談例を紹介しました。
参加者から「義父母の介護も嫁がやるべきとの声がある。コロナ禍で施設利用が困難。家庭で女性の介護負担が増えている」、「男性の育児休暇、介護休暇の取得も増えているが男女の賃金格差があるので賃金の低い女性が休暇をとっていて賃金格差解消は急務」の発言がありました。
年金生活の男性(72)は「年金が少ないので、もともと外食はしなかった。新型コロナで家にいるので光熱費が増え、コロナ前の2倍になった。月2回の通院も公共交通は混むのでタクシー利用。高齢者もコロナで生活が厳しくなっている」と語りました。
学習講演会に先立ち総会が行われ、森弘典事務局長(弁護士)が「反貧困ネット独自のコロナ相談会を開くとともに国や行政への感染防止対策や困窮者へ支援強化を求めていく」と述べました。
(8月25日 しんぶん赤旗)