生理用品を買えないで困っている学生の2人に1人が相談できる相手がいない―。名古屋市が4月、学生を対象に実施した生理用品の無料配布にあたって生活状況を聞いたアンケート結果から、コロナ禍で悩みを抱え込む学生の実態が浮き彫りになりました。
■ 名古屋市が配布・実態調査
名古屋市は、経済的に困窮し生理用品を購入できない学生を支援するため、インターネットで4月20日=27日に希望者を募り、生理用品や防災備蓄用食料品を無料配布。申込者493人に生活に関わるアンケートを実施しました。
生理用品を希望する理由(複数回答可)は、「アルバイトのシフト減や解雇。バイト先がみつからない」が391人で最多。「家庭の経済的困窮」が166人で、「母子家庭のため生活が苦しい」などの回答もありました。
生理用品を買えないことを相談できる相手が「いる」は217人(44%)、「いない」は260人(53%)でした。相談相手がいない人のうち同居者がいる人は135人で、家族がいても相談できない人が多いことが分かりました。
3~4月の収入状況(複数回答可)は、「アルバイト」(341人)が最も多く、「奨学金」(154)人、「親の収入」(154人)、「仕送り」(115人)と続きました。
市の担当者は、「生理用品が買えないということは、他にも困っている状況があると思う。今回、生理用品を申し込んだ学生には、困ったら相談できる行政の窓口があると伝えている。活用してほしい」と話しています。
「生理の貧困」問題にとりくむ日本共産党の岡田ゆき子市議は、「生理用品1パックさえ買えない学生の実態は大変深刻だ。女性だけでなく男性も困窮している状況があると思う。市が率先して学生の実態を調査し、学生支援を拡充するよう求めていきたい」と話しました。
(6月4日 しんぶん赤旗)