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再開めざし工夫学ぶ 子ども食堂運営者ら

コロナ禍での子ども食堂の運営について話し合った学習会=3日、名古屋市千種区

 名古屋市で3日、コロナ禍での子ども食堂の意義と安全対策について学ぶ学習会と講演会が開かれました。オンライン参加を含め、子ども食堂の運営者や支援者ら100人が参加しました。あいち子ども食堂ネットワークなど3団体の共催。

 現在、全国の子ども食堂は約5000カ所。愛知県には190カ所あります。新型コロナの影響で運営が困難になっており、昨年は一部を除き多くが休止していました。

 NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京)のスタッフが講師として「肩身の狭い思いをする必要はない。こうすればできるコロナ時代のこども食堂」について説明。日本小児科医会などの協力で作製した「こども食堂向け、新型コロナウイルス感染症対策―安全・安心自己点検シート」の内容を紹介しました。

 むすびえの調査(今年2月)によると、通常通り、会場に一堂に会して再開したのは全国で12%。再開できないところも繋がりを大切にしようと、多くのところでフードパントリー(食材・弁当配布)を実施しています。

 むすびえ理事長の湯浅誠・東京大学特任教授が「コロナと居場所~こども食堂の取り組みから」と題して講演しました。全国各地のコロナ禍や豪雨災害の中でもさまざまな工夫を重ねて、子ども食堂に取り組む姿を紹介し、「こども食堂は世代間を結ぶ地域の交流拠点。平時の繋がりが大切で、非常時のセーフティーネットとしての役割がある」と強調しました。

 参加者から「再開には会場問題がある。公民館で開いていたが3密を理由にコロナ以後は貸してくれない」、「最近のコロナ感染拡大で子ども食堂の役割が重要になっている。行政との連携が必要」などの質問・意見が出されました。

 湯浅氏は「厚生労働省が昨年5月、子ども食堂の公営・公的施設の使用に配慮するよう通達を出した」、「東京国立市は広報で子ども食堂の開催日や場所などを知らせている」と答えました。

 閉会あいさつで、あいち子ども食堂ネットワーク共同代表の杉崎伊津子さんは「どの子ども食堂も再開したいと思っているがコロナ感染防止対策が十分できず悩んでいる。創意工夫している全国の経験に学び運営していこう」と呼びかけました。

(4月7日 しんぶん赤旗)