生活保護費減額処分(2013年)は憲法25条に違反するとして、その取り消しなどを求めて、愛知県内の生活保護受給者13人が国や名古屋市など3市を相手取った「生存権裁判」(いのちのとりで裁判)の控訴審の第1回口頭弁論が8日、名古屋高等裁判所(萩本修裁判長)で開かれました。
名古屋地裁は昨年6月、国の主張を認め原告の請求をすべて却下しました。
原告や弁護団が意見陳述し、原告女性(69)は「1日3食もままならず朝食抜きの時もある。外食など論外。コロナ禍でマスク、石鹸など出費が増えた」と述べ、「裁判所は生活保護制度の利用者のくらしの実態をみてもらいたい」と訴えました。
森弘典弁護士は「厚労省が引き下げに参照した指標は受給者の所有が少ないパソコンなど家電の物価下落率を反映している。生活実態を無視したもの」。小久保哲郞弁護士は「私が関わった大阪地裁では2月22日、厚労省の判断に『裁量権の逸脱、過誤、欠落があると』と引き下げ取り消しを命じる判決を下した。名古屋高裁が大阪地裁のように公正な判断をすることを期待する」と述べました。
原告らは名古屋市内で「いのちと最終ラインを守ろう」と報告集会を開きました。
次回は6月24日の予定です。
(3月10日 しんぶん赤旗)