愛知県知事のリコール運動の不正問題で、県内の法律家4氏が2月26日、名古屋市役所で記者会見し、愛知県警に適切かつ断固たる処置を要望し、岩城正光弁護士(前回市長選候補)に民主市政の実現へ4月の市長選出馬を要請したと発表しました。
発表した文書は下記の通りです。
河村たかし現名古屋市長は、昨年のあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」問題で大村愛知県知事を攻撃し、それを理由に大村知事のリコール運動に協力・賛同しました。リコール署名は、提出された賛同署名の8割が同一人の筆跡など疑わしい無効の署名であると愛知県選挙管理委員会が発表しています。2月16日付けの中日新聞によれば、アルバイトを雇い他人名義の署名を書かせていたということが報じられています。大がかりな組織的な動きです。
首長のリコールは、住民が自らの代表の解職を求める直接民主主義を体現した制度です。このリコール賛同署名に他人名義の大量署名を書かせることが犯罪行為であることは言うまでもありません。愛知県選挙管理委員会が告発を発表したのは当然です。私たち愛知県民は直接民主主義を実現するリコール制度を悪用した行為を見過ごすわけにはいきません。この署名を煽動した高須克也氏やこれに賛同し、リコール署名集めの期間中、自らの肉声を録音した宣伝カーを走らせ続けた河村たかし名古屋市長が、リコール署名集めの運動の最も中心的な存在であったことは、誰もが知っていることです。不正が発覚するや自らも被害者だといい出すのは、署名を主導し、署名運動に積極的に協力した立場の人間として、極めて無責任な行為と言わざるをえません。私たち愛知県民は、住民としての基本的な権利を侵害するこのような行為を許すわけにはいきません。そして、河村たかし現名古屋市長には、このような運動を呼びかけ煽動した道義的・政治的責任があることは間違いがないと考えます。
このような河村たかし氏は名古屋市長として相応しくありません。私たちは、貶められた民主主義の回復のために、名古屋市民として、来る4月の名古屋市長選で河村たかし氏を市長として選ぶことはできないと考えます。私たちの代表として相応しい候補を市長に選び民主主義を回復するための声をあげましょう。
2月19日、私たちは岩城正光弁護士に来たる名古屋市長選に出馬するよう要請いたしました。既に緑の党の尾形慶子氏が出馬を表明しています。尾形氏は候補として相応しいと思いますが、より幅広い名古屋市民の支持を集めるためには、様々な層の支持を集めることができ、前回市長選に出馬し知名度があり、副市長としての行政経験もあり、貶められた民主主義を回復するために立憲主義・民主主義について理解している人権派の弁護士である岩城正光弁護士が最適だと考え、岩城正光弁護士に出馬を要請することにしました。
是非、多くの人にご賛同をいただき、一緒に私たち名古屋市民の代表として相応しい見識と行動力を持った新しい名古屋市長を生み出しましょう。
名古屋市民の方々にともに賛同していただけるよう呼びかけます。
2021年2月26日 呼びかけ人(五十音順)
天野鎮雄(俳優)
飯島滋明(名古屋学院大学)
大脇雅子(弁護士)
中谷雄二(弁護士)
本 秀紀(名古屋大学)