日本共産党員作家の小林多喜二をしのぶ「第3回愛知多喜二祭―表現の自由と多喜二」が21日に名古屋市内で開かれリモート参加を含め122人が参加しました。俳優や劇作家ら文化関係者でつくる実行委員会の主催。
開会あいさつで塩澤哲彌・愛知文化団体連絡会議代表委員は「福島原発事故から10年になるが今も避難者が多数いる。新型コロナで国民は健康や暮らしに悩んでいる。戦前の階級社会で苦しむ人たちに多喜二は文学を通じて光をあてた。文学に携わる者として多喜二を手本に考え、運動していこう」と述べました。
京都精華大学専任講師の白井聡氏が「格差社会と小林多喜二」と題して講演。「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で感染拡大防止対策、医療体制、ワクチン接種など世界で格差・不平等が顕著になった」と指摘。戦前の天皇制ファシズム、敗戦後の象徴天皇制、アメリカに従属する日本の状況、安倍、菅内閣の悪政を詳細に報告し、蟹工船の「俺たちには、俺たちしか味方が無(ね)えんだ」を引用し、「多喜二に学び、ひとりひとりの国民が政治を変えるため本気の連帯、共同を始めよう」と強調しました。
講演に先立ち、赤旗文化セミナー朗読の会による「蟹工船」の朗読、美術集団8月が多喜二を題材にした絵画を紹介しました。
(4月24日 しんぶん赤旗)