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教職員の長時間労働なくそう 非常勤講師ら集い

 愛知県内の学校で働く非常勤講師らでつくる「臨時教員制度の改善を求める会」は6日、名古屋市内で、教職員の働き方と子どもたちの学びの環境を考える集いを開きました。教員や保護者ら約50人が参加。公立学校の非常勤講師に残業代の支払いが認められた画期的な成果を教職員全体の働き方改善につなげようと交流しました。

 パネリストとして「会」の上村和範代表委員や労基署に申告した非常勤講師らが登壇。上村氏は、「会」が2019年に名古屋市内の非常勤講師の残業代支払いを求めて労働基準監督署に申告し、20年11月に市教育委員会が5人分約130万円の未払い残業代を認め、支払った経緯を報告。

 市教委が契約時間外の授業準備や成績処理などの時間を「労働時間」と認め、残業代を支払ったことは「画期的だ」とする一方、5人以外の残業代を認めない姿勢を告発。勤務条件の改善を求める新たな運動が広がっていることを紹介しました。

 非常勤講師の一人、七海純子さんは「アルバイトが『1分でも残業したら残業手当てが支払われる』と子どもたちに教えているのに、自分達の働き方の実態があまりにかけ離れていて、このままではいけないという思いがあった。すべての非常勤講師、正規教員の残業をなくす運動につなげていきたい」と話しました。

 中日新聞の福澤英里記者は非常勤講師への残業代支払いの報道に正規教員からも驚きの声が寄せられていることを紹介。「教員全体の働き方を揺るがす問題だ」として取材してきた思いを語りました。

 参加者から「『会』の運動に励まされ、自分も声を上げようと思った」「教員の働き方の改善が子どもたちの学びの環境改善にもつながっていく。そのために運動を広げたい」などの発言がありました。

(2月9日 しんぶん赤旗)