愛知県内の介護や保育、障害者など13団体でつくる「福祉予算削るな!福祉を金儲(もう)けにするな!県民集会実行委員会」は25日、名古屋市内で学習交流会を開きました。毎年、屋外で集会を開いてきましたが、今回は新型コロナ感染対策として屋内での学習会に変更し、会場には60人が参加。各地からリモート参加がありました。
石井一由記実行委員長は、「国は福祉、社会保障を大幅に抑制し、新型コロナによって医療や介護、福祉などの分野で国の施策の脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになった」と指摘。「コロナ禍から国民の命、暮らしを守るため、国の社会保障制度充実を求め運動を広げよう」と訴えました。
井上英夫・金沢大学名誉教授が「福祉は人権」の実現をめざしてリモートで講演。井上氏は「コロナ禍では生命権、健康権、移動の自由権の三つの人権が最優先されるべきもの。生命、健康を『人質』に取って自粛、自立・自助、共助の強要は許せない」と菅政権を批判し、「今こそ、私たちは主権者として、政治の仕組み『民主主義』を機能させる時。憲法を守り、発展させるため不断の努力を続けよう」と呼びかけました。
各分野からの報告で、自治労連愛知県本部役員が「県内で公務員の非正規職員が年々増え、現在は3割が臨時や非常勤。同じ職務なのに処遇が違う。改善の運動をしている」。障害者団体役員は「障害者はコロナに感染すると重症化するリスクが高く、集会や外出を控え、仲間との繋がりは少なくなった。GoToキャンペーンが始まったが、バリアフリー、トイレ、交通手段の問題があり旅行に行きたくても行けない。障害者にとって『格差社会のキャンペーン』のようだ。コロナ禍に負けないで、国に改善を求めて物申していく」。愛知社保協役員が「来年度から始まる介護保険第8期(2023年まで)で、保険料引き下げや減免制度拡大を求め県内の全54自治体に要請運動をしている」と述べました。
(10月28日 しんぶん赤旗)