愛知自治体キャラバン実行委員会が県内全54自治体に実施した「新型コロナウイルス関連アンケート」で、87%の自治体が社会的弱者への独自支援策を実施していることが明らかになりました。
同実行委員会は1980年から社会福祉施策のアンケート調査を全自治体で実施。調査結果をもとに介護・福祉・医療などの充実を求め、全自治体を訪問してきました。今年は通常のアンケートとは別に新型コロナに関するアンケート調査を実施。7月15日までに全自治体から回答があり、8月27日に集計結果を発表しました。
■ 影響長期化を想定
社会的弱者への支援では、自治体独自の個人給付金・手当などを支給しているのは47市町村。実施していないのは7市町村でした。
児童手当受給世帯へ上乗せ支給する9市町村をはじめ、子どもに着目した支給は41市町村でした。ひとり親家庭への支援は豊明市が5万円支給するなど28市町村。新生児支援は瀬戸市、大府市が今年4月28日から来年4月1日に生まれた新生児に10万円支給など22市町村で行っています。金額(2~10万円)、誕生日の対象期間もかなり差があります。
「新型コロナによる暮らし、営業への深刻な影響は長期化することが想定されており、他市町村の経験も生かし、すべての市町村で継続した支援が求められる」と述べています。
収入減を理由とした介護保険料減免は尾張旭市以外の自治体は国基準で実施。全額国庫負担があるにもかかわらず、尾張旭市だけが国基準より対象者を狭めています。
介護事業者への財政支援は、長久手市が1事業所あたり20万円、刈谷市が市内146事業所に一律10万円の支給をするなど13市町が実施。介護事業者への医療防護具や消毒液支給など感染予防支援は35市町が行っています。
■ 給食無償化の例も
医療機関への独自支援では、財政支援を行っているのは13市町村、感染防止のための支援を行っているは37市町村でした。
国民健康保険の加入者がコロナで会社を休み、給料が未払い、一部減額の場合には傷病手当が受けられます。東海市だけが事業入主も対象として積極的に対応していました。他の自治体は国の財政支援の範囲(家族専従者、従業員)にとどまっています。
休校・休園中の給食費では、51市町村が徴収しないか返金で対応。豊山町は1学期の給食費を無料にしました。豊根村は今年4月から学校給食完全無償化しています。水道料は37市町村が何らかの減免措置を実施しています。
小松民子・県社保協事務局長は「多くの自治体で何らかの支援策はおこなっているが、給食費無償化など実施する自治体は一部に限られている。介護事業所など集団感染のリスクの高い支援策としては、決して充分ではない。なによりも国は自治体まかせにするのではなく、財政措置を含め支援対策を積極的に実行すべきだ」と語りました。
(9月12日 しんぶん赤旗)