名古屋市で敬老パス制度を守り、地域交通の拡充を求める「敬老パスと地域交通拡充で元気な名古屋をつくる会」が23日に発足しました。発足集会には新型コロナで参加を制限する中、約70人が参加しました。
敬老パスは、65歳以上の市民が一定額の負担で市営のバスや地下鉄に自由に乗車できる制度です。市は2月議会で、2022年2月から私鉄、JRへの利用を拡大すると同時に、年730回の利用制限を打ち出し、共産党を除く全会派の賛成で可決しました。
年金者組合と革新市政の会が中心になって会結成の賛同を募り、この日までに弁護士や医師、区政協力委員長、大学教授など47人が呼びかけ人となり、解散か登録は医療生協や自由法曹団、労働組合など51団体になりました。
共同代表は、俳優の天野鎮雄さん、緑区大高南学区区政協力委員長の小池田忠さん、年金者組合県本部委員長の丹羽典彦さん、愛知民医連会長の早川純午さん。天野さんがあいさつし、「一度手にしたものは離しちゃいかん。制度を変えさせないためにも、どんどん利用して出歩こう」と話しました。
東海自治体問題研究所の三浦勤さんが講演し、「交通権は憲法由来の新しい人権で、生存権や幸福追求権に並ぶもの。制限があってはいけない」と強調。「敬老パスはは高齢者の交通だけでなく、経済効果、環境効果でもおおいに貢献している。制限ではなく、さらなる拡充と発展が必要だ」と語りました。
現場から「高齢者が気がねなく元気に出歩くことで、認知症や介護の予防につながる」(利用者)、「回数制限は高齢者の社会活動促進の制度理念に逆行する」(介護施設)などの報告がありました。
渡辺義巳事務局長が運動方針を提案。河村たかし市長あてに、敬老パス・地域交通の拡充を求める要請署名運動に取り組み、来年4月の市長選の争点に押し上げていくことを確認しました。
名東区から参加した水野正三さん(76)は「免許を返納してから敬老パスの便利さを実感した。市は高齢者と若者を対立させようとしている。豊かな権利を発展させていくために一緒に運動したい」と述べました。
(8月26日 しんぶん赤旗)