「表現の自由を守れ」―。昨年開催された国際芸術祭あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」に自分の気に入らない作品が展示されたとして大村秀章県知事のリコール署名が始まった25日、「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会は愛知県庁前でリコール運動に反対する宣伝に取り組みました。
リコール署名を呼びかけたのは高須克弥医師や河村たかし名古屋市長。天皇の肖像画を燃やす動画や日本軍「慰安婦」をモデルにした「平和の少女像」の展示を許可し、補助金支出を決定したとして、芸術祭実行委員会会長の大村知事のリコールを呼びかけています。
リコール運動に反対する宣伝には15人が参加し、リレートークやスタンディング、チラシ配布でアピール。事務局の山本みはぎさんは「多くの市民が名古屋市のコロナ対策に不安を感じているとき、河村市長はコロナ対策そっちのけで、憲法21条で保障された表現の自由を侵害し、リコールを呼びかけている。改めてリコール運動反対の声を全県で一緒にあげていこう」と話しました。
リレートークで近田美保子さんは「個人の思想や考え方に違いがあっても、市長が作品内容に口を出してはいけない。公共の展示会に公金を出さないというのも間違っている。ナチス賛美の高須氏と一緒に運動する河村市長は名古屋の恥だ」。神戸郁夫さんは「河村、高須両氏は根っからの歴史改ざん主義者。気に入らないものは知事であっても許さないという姿勢だ。いま何が問題になっているのかよく考え、公道しよう」と訴えました。
日本共産党の江上博之、さいとう愛子両市議、社民党県連の平山良平副代表も参加。江上氏は「表現の自由を保障するのが権力者の義務だ。コロナ対策に全力をあげる姿勢実現へ共産党は全力を尽くす」と語りました。
チラシを受け取った男性は「展示への知事の判断は正しかった。リコールには反対ですね」と述べました。
(8月26日 しんぶん赤旗)