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離農者出さぬ柔軟対応を 東海農政局に農家と共産党が要請

富田局長(右から3人目)に要請書を手渡す須山氏(同2人目)と農家の人たち=15日、名古屋市中区・東海農政局

 日本共産党愛知県委員会は15日、農林水産省東海農政局(名古屋市中区)を訪れ、新型コロナウイルス感染の影響から愛知の農業を守り発展させる施策を要請しました。

 須山初美党県副委員長のほか、農家の苦境を直接訴えようと農民運動愛知県連合会の伊藤政志会長らが参加。富田育稔局長や橋本正樹局次長と意見交換しました。

■ 5項目を要求

 申し入れは▽農家の実情にあわせ、持続化給付金の50%減収基準を緩和▽価格保障と所得補償の実施▽困窮する農家が受け入れる外国人技能実習生の給与を全額補償▽食料自給率を50%に引き上げ、農業を基幹産業と位置付ける▽消費税を5%に引き下げる―の5項目です。

 全国シェア1位の菊や大葉、花きなど農業が盛んな愛知県の東三河地域の農家が直接訴えました。「イベントや飲食店の自粛で呼吸果物が全く売れない。ガーベラの出荷が激減し大打撃だ。収穫した者でも捨てざるをえない」、「生きて行くには作らざるをえないが、やればやるほど赤字になっていく。廃業寸前だ」など切実です。

 農民連の伊藤会長は、持続化給付金基準について「『昨年と比較して50%減収』というのは、農家の実情とまったくあっていない。昨年が不作であれば、少ない収入のさらに半分になる。農業を続けられるよう下支えし、離農者を出さないために柔軟に対応してほしい」と語りました。

 富田局長は「コロナ禍で離農者を出さない、農業を守りたいという気持ちは一致している。職員が出歩けない状況のもと、直接声を聞けるのは本当にありがたい」と述べ、「改善できるところは改善し、実態にあった使いやすい制度になるよう努力したい」と応じました。

■ 県にも求める

 須山氏は、外国人技能実習生を雇用している農家から「収入が減り、家族の給与を技能実習生に充てている」、「新年度から予定していた実習生が来られなくなり人手が足りない」など悲痛な声を紹介。富田局長は「コロナ特例として、技能実習生にも雇用調整助成金が使えるようになっているので、ぜひ活用してほしい」と話しました。

 田原市で農業を営む河辺正男さん(前党市議)は「自給率の低さと日本の農業政策の悪いところがコロナ禍で表面化した。農家をつぶさず、若い人や後継者が希望をもって農業ができるようにしてほしい」と話しました。

 須山氏と農家らは、愛知県庁も訪問し、県独自のさらなる支援と、国への要請を求めました。

(5月19日 しんぶん赤旗)