■ 親子で収入減 学費払えない ネット授業に予想外の出費
学生の6割がバイトを主な収入源にしており、バイトの削減で学費が払えない不安を抱いている―。日本民主青年同盟愛知県委員会が実施した学生アンケートで、学生の厳しい生活実態が浮き彫りになりました。
民青県委員会は、3月から新型コロナウイルスに関する若者向け生活実態調査を行い、530人の実態を集めました。そのうち愛知党県内の学生は306人でした。
今回、4月5日から30日までに寄せられた学生アンケートの回答204人分を集計しました。新入生(73人)が一番多く、大学院生(14人)までいます。
1カ月の生活費のうち主な収入源を聞くと、「アルバイト」が58・3%。次いで「仕送り・小遣い」38・2%、「奨学金」13・7%でした。(一部複数回答)。すでに「アルバイトが削減され収入が減った」と答えたのは33・8%。今後の不安についても「バイトの収入減」45・6%が一番多くなりました。
記載欄には「学費と家賃は親が負担し、生活費は自分のバイトで賄っている。バイトが減り生活が苦しい」(私立大学3年生)、「週5日バイトする予定が週3日しかできなくなった」(公立大学1年生)などと書き込まれています。とりわけ、私立大学1年生の声は深刻です。「親の負担を減らそうとバイトを探している。求人が少なくて見つからない」、「バイトがないから学費が払えない」、「バイトもできない状況でお金もなく大変です。早くこの状況をどうにかしてほしいです」。
不安なことでは5人に1人が「学費の支払い」と答えました。「母子家庭。母の仕事が減り、私のバイトも減り収入激減。奨学金を借りて生活しているが学費までは厳しい」(国立大学3年生)という声。私立大学1年生からは「学費が高いから生活に困る」、「学費を下げてほしい」、「学費を返金してほしい」などの訴えも。
「予想外の出費」も増えています。「安い学校の食堂で食事を予定していたが休校で食費が増えた」(私立大学1年生)、「ネット授業になったため、ネット回線を引き、パソコンを購入したので出費がかさむ」(国立大学大学院1年生)、「学校の図書館も公立図書館も休館。参考書などが借りられず、自費で購入したため大変」(国立大学3年生)
政治や行政への要望では「学生向けの家賃補助や奨学金返済の猶予」(専門学校生)、「税金のムダ遣いはやめてほしい。国民が税金を払いたいと思う政治をしてほしい」(国立大学4年生)、「休業要請といっても補償とセットでないと休業した店の店主や従業員が生活できない」(私立大学2年生)、「ストレスがたまるので、精神的なケアの無償化も検討してほしい」などの意見が寄せられました。
民青県委員会は学生の声をまとめ、県知事や名古屋市長に届けています。
(5月12日 しんぶん赤旗)