愛知県内で新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、多くの子ども食堂が中止・延期を余儀なくされるなか、「あいち子ども食堂ネットワーク」は、少しでも子どもたちにご飯を届けようと力を尽くしています。同ネットワークには、県内約150ある子ども食堂のうち、現在74食堂が加入。企業や個人から寄付された食品などを加入食堂に配布しています。
■ 寄付を急募
ネットは、3月10日に県内の企業に食品の寄付を緊急募集し、25日には、企業から寄せられたカレーや米、お菓子などを仕分け、地域の子ども食堂に配布しました。29日に八つの子ども食堂で無料配布します。
受け取りにきた「みずほみんなの食堂」(名古屋市瑞穂区)の伊藤正人さんは「4年近く運営し、毎回40~50人参加しています。今回は、より必要としている子供たちに届くようにしたい。食べるだけじゃなく、食文化や居場所を提供し子どもも親もホッとできる場所を心がけています」。「おいでん家」(岡崎市)を運営する女性は「毎月第2・第4日曜日に開いています。2月23日から急きょ中止しましたが、子どもたちが来るかもしれないと思い、おにぎりを作って待っていました。結局、来なかったけど、1カ月子どもたちの顔を見ていないので心配。29日には会って話をしたいです」と語りました。
「名古屋名東ロータリークラブ」の藤田直子さんは「ロータリー地域社会共同体を設置し、子ども食堂と連携しています。県内85のクラブと情報を共有し、今回は21社から寄付がありました。子どもたちの力になりたい」と話します。
飛び込みでの持ち込みもありました。結婚式などの引き出物を扱う業者の方は「結婚式のキャンセルが相次いでしまい、お菓子をどうしようか、市役所に相談したところ紹介されました」と話します。「個包装で安心して食べられ、きれいなつくりで目も楽しめる。幸せのために作られたものなので、ぜひ子どもたちの幸せのために利用してほしい」
■ 日常の連携
ネットの山崎正信共同代表は「ネットを結成して3年間、企業や地域と連携を日常的につくりあげてきたからこそ、非常事態でも短期間に多くの寄付が寄せられた。コロナで開催できなくても、配ることを通じて、子どもたちがいまどうしているか知ることができる。子どもたちの笑顔のために力を尽くしたい」と強調します。
29日に配布する子ども食堂(各約100セット)は次の通りです。わいわい子ども食堂、あじまわいわい子ども食堂、日進絆子ども食堂、マンナ子ども食堂、ほんわか食堂、ちくさこども食堂、みずほみんなの食堂、おいでん家。
4月にはより広く食品の配布をする予定です。
(3月27日 しんぶん赤旗)