「2月の売上は1月の半分以下」、「外国観光客が来ない。このままだと休業も」―。名古屋市中区の大須商店街では、消費税の増税に加え、新型コロナウイルスの影響で店主から悲鳴の声があがっています。
大須商店街は土産物、飲食店、老舗のお菓子屋、古着屋や雑貨屋など1200店舗あります。日頃は外国人観光客や若者で賑わう名古屋市内最大の商店街ですが、最近は閑散としています。
5日の日中も通行人はまばらです。法被や和柄Tシャツ、財布など和風小物を販売する土産物店主(56)は「客の9割は外国からの観光客。2月になって外国人はほとんど来ない。年末・年始の儲けをすべて吐き出した。感染が世界中に広まっているので終息が遅れると休業も考えねばならない」。アンテーク雑貨屋の店主は「外国人も日本人の客も昨年の半分くらい。家賃や光熱費を払うと赤字。働いている人と違って個人業者には休業補償など何もない。国は資金繰りの金を貸すというが、売り上げが減っているので借りても返せない」と話します。
すし屋の主人は「3、4月は会社の退職慰労会、新入社員の歓迎会などで稼ぎ時。自粛ムードで新規の予約は入らない。3月末予約の10人規模の宴会がキャンルになった。先月末、感染が怖いので、店全部を業者に清掃・消毒をしてもらったばかり。売り上げは減るのに出費が増えて頭がいたい」。和食料理店の女将は「消費税10%になってもランチの値段を上げなかった。感染が怖いから外出を控える人が多くランチ客が減った。夜の飲食客は半減した。消費税を直ぐに5%にせよとは言わないが外食も食料品と同じ8%にしてほしい」と語ります。
商店街で唯一にぎわっているのが駄菓子屋です。小学生が店の周りでお菓子を食べながら友だちと話しこんでいます。自転車で熱田区から来た小学5年生は「学校が休みだし、図書館も休みで行くところがない。お母さんから、いつもより多めのお小遣いをもらって友だちと遊びに来た」と話しました。
(3月7日 しんぶん赤旗)