「蟹工船」や「党生活者」などの小説で知られる日本共産党員作家の小林多喜二を偲ぶ「第2回愛知多喜二祭―表現の自由と多喜二」が16日、名古屋市内で開かれ130人が参加しました。俳優や劇作家ら文化関係者でつくる実行委員会の主催。
開会あいさつで塩澤哲彌・愛知文化団体連絡会議代表委員は「私たちは『あいちトリエンナーレ』で表現の自由を規制しようとする動きを体験した。戦前の支配体制とたたかった多喜二が表現の自由をどう貫いたか。人間の尊厳や平等が多喜二の作品にどう表現されているか考えてみよう」と述べました。
文芸評論家の尾西康充三重大学教授が「太陽は総(すべ)てのものを照らす」と題して講演。多喜二作品の特徴を▽女性労働者らをリアルに表現▽難しい表現でなく読者の誰にも受けるよう表現▽ユーモアあり楽しく読める―の三つにある」と述べ、「多喜二は貧しい生活は個々人の怠惰や努力不足のせいではない。太陽が総てのものを照らすように、必要な教育や労働機会を全ての人に与えるべきだと作品を通じ主張している」と強調しました。
講演に先立ち、労働者劇団つぶれそう一座の寸劇「少女」公演や俳優の川村ミチルさんの「党生活者」の朗読が行われました。
(2月21日 しんぶん赤旗)