愛知県原水爆被災者の会(愛友会)被爆二世部会が2日、名古屋市内で「被爆二世・三世 交流と連帯の集い」を開き、被爆者や二世・三世ら31人が参加しました。
被爆二世部会は被爆者の高齢化が進み、困難になった運動を支えようと2018年6月24日に発足しました。今回初めて、部会として被爆者を含め幅広く参加を呼びかけた「集い」を開きました。
開会あいさつで部会世話人の杉戸孝さんは「被爆者の核兵器廃絶などの運動を支え、継承、発展させたい。二世、三世はもちろん平和団体の人たちと協力してがんばっていきたい」と述べました。
■ 遺品の中に手帳
交流会で、父親と叔母が長崎で被爆した女性は「父が被爆したことは知っていたが、生前に被爆のことはあまり話さなかった。60歳で亡くなった父の遺品整理で被爆手帳を見つけた。被爆手帳を見ながら父に代わって核廃絶の運動をしようと思った」と語りました。
父親が広島で被爆した女性(56)は「父の遺志をついで、地域の子どもたちに原爆パネルなどを使って被爆の実態を伝えている」、父親が長崎で被爆した男性(63)は「国の二世定期健康診断は国保検診より検査項目が少ない。がん検診など項目を充実してほしい」など活発に意見や要望が出されました。
水野秋恵・愛友会事務局長は「私たち被爆者の願いは、被爆の悲惨さを次の世代に伝え、世界から核兵器をなくすこと。二世・三世の会の取り組みに励まされ心強い」と話しました。
■ 健康不安の声も
日本被団協二世委員会(東海北陸ブロック担当委員)の大村義則さんが「全国被爆二世実態調査」の集計結果を報告しました。3417人(愛知186人)から回答があり、不安や悩みを感じる」と答えた人は60・3%、被爆体験の継承活動に「取り組みたい」が32・4%でした。愛知県分の記述回答も紹介し、「第一子が生後まもなく死亡。親の影響があったのでは…」、「父親が肝臓がんで死亡。姉が胃がんで死亡。私も子宮がんを経験。原爆の影響と不安」など健康不安を訴える人が多いと述べました。
交流会に先立ち、NPO法人チェルノブイリ救援・中部の河田昌東(まさはる)さんが「放射能被曝の遺伝子的影響」をテーマに記念講演を行いました。
(2月7日 しんぶん赤旗)