愛知県弁護士会は1日、名古屋市で「表現の自由」について考える集会を開き、約150人が参加しました。検閲だと感じたら市民が抵抗し、許さないと声を上げ続ける大切さなどを交流しました。
名古屋大学大学院法学研究科の愛敬浩二教授は、民主主義的な社会において検閲は禁止した方がいいから憲法21条に書いてあると強調。「権力を持っている人間が『この見解はいい』『この見解は悪い』と決めてはいけない」と訴えました。
公金を得て行う公立美術館でこそ大胆な展示ができ、「情報の受け手」の利益が守られると指摘。特定の考え方を理由として公金支出を止める場合にも、行政はそうせざるを得ない正当な理由を示すべきだと話しました。
検閲の概念は相対的だとして「検閲は許さない」と市民社会が声を上げ続けないと憲法学者などが右傾化してしまうと危機感を示しました。
表現の不自由展実行委員のアライ=ヒロユキさんは、権力者に不快な表現の排除が進んでいると指摘し、「日本の負の歴史が生んだ社会のゆがみが検閲を引き起こしている」と話しました。
中谷雄二弁護士は、脅迫をした側に従って表現を中止すれば、責任を問われるべき加害者の要求を通して、被害者の権利が奪われると強調。「自由に議論する場を確保するのが公的立場の責任だ」と話しました。
日本共産党の本村伸子衆議院議員が参加しました。
(2月4日 しんぶん赤旗)