「あなたの意見で学校が変わる」―。名古屋市内で15日、第4回「開かれた学校づくり」あいち交流集会が開かれ、愛知県内の高校生たちが「開かれた学校づくり」めざし、生徒会などの活動を発表し、活発に交流しました。
「開かれた学校づくり」とは、「子ども、保護者、住民、教職員が共同し、子どもが主人公となる学校」をめざした取り組みです。愛知では2016年2月に第16回全国交流集会が開かれ、その後「愛知版」集会が毎年開かれています。
主催は、教育関係者でつくる実行委員会。この日も高校生、教職員、保護者ら約60人が参加しました。
■ 「主権者」育てる
実行委員長の大橋基博・名古屋造形大学特任教授が「学校の主役は生徒。自分たちの力で学校を良くしようと取り組んだ実践を学ぼう。『子どもたちを社会の主権者』として育てる」点でも大きな力になるはず」とあいさつ。「開かれた学校づくり」全国交流集会呼びかけ人代表の中田康彦・一橋大学教授は、高知で開かれた全国交流集会について報告し、毎年開催されている「あいち交流集会」は大切と激励しました。
全体集会では5校が実践報告しました。
知多地域の県立高校の生徒は体育祭について「女子が多いクラスは優勝できない」の声から、生徒会でクラス代表者会議を重ね、学年の枠を超えた縦割り団チームに変更。それでも「他学年との交流が増えるメリットと、団の人数が多くチームをまとめるのが困難などのデメリットもある。全校生徒でより良くするようがんばる」と述べました。
■ 今は変革の時期
名古屋市立高校の生徒会役員はICT(情報通信技術)を活用した生徒会の取り組みを報告。「生徒手帳の生徒会関連ページをホームページに移行し簡素化。インターネットを活用して全生徒対象のアンケートに取り組んでいる。今は変革の時期」と話しました。
名古屋市内の県立高校は「体育祭、文化祭など主な行事は生徒会が主体で運営している。自由、自主、自律の校風を大切に、今後の新たな挑戦や問題点を改善していきたい」。名古屋市内の私立高校放送部員はドキュメンタリー作品制作について述べ、「企画、カメラ、インタビュー、編集など部員全員が共同する大切さを学んだ」と語りました。
名古屋市立高校の父母会は「教師と父母が一緒に子どもや学校について、ざっくばらんに語り合う自主的な会。親と話したがらない子の様子もよくわかる」と話しました。
分散会では「休日のクラブ活動での部服登校」が話題に。名古屋市立高校では生徒会のHOTLINE(通称・目安箱)への投稿がきっかけで、今年9月から土・日、春、夏、冬休みの練習や試合日は部服登校が出来るようになりました。私立高校の生徒も「学校の宣伝になるので学校名を書いた部服登校は以前からやっている」公立高校は制服登校が多いようです。
「スマホの取り扱い」も活発に論議。西三河の県立学校の生徒が「登校したら学校に預け、下校時に返してくれる」と話すと、名古屋市内の県立高校の生徒は「授業中などはマナーモードか電源を切る。あとは周りに迷惑にならない範囲で休憩中や昼休みは自由」。他の高校生から「いいいな。俺のところは校則が厳しい」と応じていました。
参加した県立高校の生徒会長は「他校の活動を知ることが出来てよかった。生徒の声が通るような学校にしたい」。県立高校教員は「多様な生徒の声、生徒の思いを活かした学校にしたい」と感想を語りました。
(12月20日 しんぶん赤旗)