愛知県医労連は7日、介護労働者の処遇改善のために、10月から新設された介護報酬の「介護職員等特定処遇改善加算」に関する調査結果を発表しました。取得予定の事業所は36%と少なく、県に推進を要請しました。
調査は9月6日~10月8日に、県内5278事業所のうち188事業所から回答を得たもの。回答率3・4%。
賃金改善額の月平均は「(おおむね10年以上の)経験のある介護福祉士」が2万7511円、「その他の介護福祉士」が1万1601円、「その他の職種」が4847円でした。
加算を取得しない事業所は63%。訪問介護や通所介護に多く、「加算率が低い」「少しばかりの加算で手間がかかりすぎる」「申請実務、書類が負担」などの理由があげられました。
介護労働者の賃金は全産業平均より月額で約8万円も低く、過酷な労働環境から離職が相次ぎ、処遇改善は急務です。
名古屋市内で会見した愛知県医労連の矢野彩子書記次長は、「人手不足の現場では申請のための煩雑な書類作成や制度の複雑さが負担となり申請できていない事業所も多い。県としてすべての対象事業所が加算を算定できるよう手立てをとってほしい」と強調しました。
林信悟副委員長は、常態化する一人夜勤の改善を訴え、「介護報酬を引き上げていかなければ安全な介護を提供できない」と指摘しました。
県医労連は会見後、県に要請。経験年数による改善額の格差をなくし賃金全体の底上げとなるよう訴え。対応した福祉局の担当者は「検討します」と話しました。
(11月9日 しんぶん赤旗)