愛知県原水爆被災者の会(愛友会)は今年も、被爆者支援策の充実・強化を求めて県内全自治体(県と54市町村)を訪問し懇談する「被爆者行脚」(52回目)に取り組んでいます。
県内の被爆者健康手帳所持者は1861人(3月末時点)。訪問前に要請項目を届け、自治体の回答に被爆者らが質問する形で進められます。
28日には、愛友会の金本弘理事長代理ら被爆者5人を含む12人が愛知県庁を訪れました。岡本範重・保健医療局健康医務部長、古川大祐・健康対策課長ら県職員12人が応対しました。
応対する県職員が毎年変わることもあり、被爆者は被爆体験を紹介。広島で被爆した鬼頭駿さん(89)は「あの時の光景が焼き付き、今でも広島に行くのが怖い。どんな理由があろうとも原爆はダメだ。日本は『核の傘』から離れ、核廃絶の先頭に立つことを切に願う」と話しました。
「ヒバクシャ国際署名」への首長・議長の署名など要請しましたが、県は「国際情勢を踏まえた国の考え方があり、慎重な対応が必要」と昨年と同じ回答。金本さんは、昨年から県内在住の被爆者が100人亡くなったと述べ、「これ以上待てない。時間も体力もなく県を頼るしかない。前進した回答が欲しい」と訴えました。
被爆者らは「静岡は2世手帳がある。愛知でもつくってほしい」、「戦争体験と被爆体験は別物。動けて話せる被爆者がいるうちに、語り部を開催してほしい」、「知事と直接話したい」など求めました。(10月30日 しんぶん赤旗)