愛知県内の生活保護受給者20人が国や市を相手取り、引き下げの取り消しや国家賠償を求めた裁判(愛知生存権裁判)の第21回口頭弁論が24日、名古屋地裁(角谷昌毅裁判長)でありました。傍聴席は原告や支援者で満席になりました。
3回目の証人尋問が行われ、原告5人が生活実態を切々と訴えました。
名古屋市の男性(64)は「胃潰瘍の治療のために保護を受けた。引き下げられて、ご飯のおかずも減らし、夏も冬もエアコンはつけないようにした」と陳述。仕事をしながら保護を受ける理由を聞かれ、男性は「社会とのつながりであり生きがい。仕事は体調次第であり、引き下げが続くのは不安」と強調しました。
豊橋市の女性(76)は、10年前に病気で仕事ができなくなり需給。「保護費が引き下げられ、湯船につからず週2回のシャワーにした。食事の量を減らし、服も下着も買ってない。難聴だが補聴器は高額で買えない。とにかく元に戻してほしい」と訴えました。
報告集会で内河惠一弁護団長は「生保は生活を助けるための制度。保護費引き下げで、最低限度の生活保障や人権が破壊されている」と述べました。
判決は来春を予定。全国で一番早いことから、各地でたたかう原告らも参加。「名古屋の奮闘を励みにしたい」(神奈川)、「どれほど苦しみながら生きているか裁判所に訴えたい」(北海道)など話しました。
11月16日に裁判勝利めざす大決起集会、来年1月27日に最終弁論を予定しています。
(10月27日 しんぶん赤旗)