国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」の再開をめぐって企画展の実行委員は26日、「『条件付き再開』は検閲であり、無条件回復こそ自由の証明である」とする声明を発表し、元の展示のままでの再開を求めました。
企画展は日本軍「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」などに抗議が殺到し、開幕から3日で中止されました。愛知県の検証委員会(座長・山梨俊夫国立国際美術館長)は25日にまとめた中間報告で再開の「条件」として「展示方法や解説プログラムの改善・追加」に言及しています。
声明は、不自由展の実行委員会が展示説明文に記載した史実を検証委はねじまげて展示空間に反映しようとしていると指摘。不自由展実行委を排除した形も視野に再開が進められていることに危機感を示しています。
名古屋市内で会見した不自由展実行委員会の岡本有佳氏は、不当な攻撃が中止理由とされたのに検証委の報告は、不自由展の展示内容や方法が原因かのように書かれていると批判。「事前に展示作品や構成、解説文に至るまでの内容に踏み込んで、改変することを条件とした再開は検閲だと思う」と話しました。
アライ=ヒロユキ氏は、不自由展の実行委は企画展の空間そのものをつくる作家であり、「排除されると筋が通らない」と指摘。小倉利丸氏は、現状を維持したままでの再開を強調し、トークイベントなどで議論できる場を設けるなどの対応は考えられると話しました。
企画展「表現の不自由展・その後」の出品作家で、美術家・映画監督の大浦信行さんは「再開は賛成です。しかし、解説文などの条件を付けて企画内容に関与するのであれば検閲になります。企画実行委としっかり協議しいぇほしい。どういう話し合いになるか慎重に見守ります」と話しました。
(9月27日 しんぶん赤旗)