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表現の自由守れ 名古屋市議会で共産党が追及

河村市長を追及する田口議員=13日、名古屋市議会

 国際芸術祭あいちトリエンナーレ企画展「表現の不自由展~その後」が3日間で展示中止になった問題について、名古屋市議会で13日、与野党議員が個人質問に立ち、河村たかし市長に質問しました。「表現の自由を侵害するな」と追及したのは日本共産党だけでした。

 「表現の不自由展」は、8月1日から開催されている芸術祭の企画展の一つ。平和の少女像や昭和天皇の写真を使った展示作品について、テロ予告や脅迫のファクス、電話が愛知県庁や実行委員会に相次ぎ、展示中止に追い込まれました。

 日本共産党の田口一登団長は、暴力や脅迫によって自由な表現の場を奪うことはあってはならないと述べ、「とりわけ政治家が展示内容に介入したことは重大だ。事実上の『検閲』にほかならない」と断じました。

 河村市長は「検閲ではない。自治体として政治的中立性を意識したものだ」と回答。

 田口議員は、「文化芸術基本法では、表現の自由の重要性と芸術家の自主性を尊重することを求めている」と述べ、「評価は見た人に判断してもらえばいい。今回の中止は、表現の機会と同時に市民の見る権利も奪ってしまった。まあに公権力による表現の自由の侵害だ」と強調。来館者や職員の安全を確保する措置をとり、再開するよう求めました。

 議会与党である減税ナゴヤの議員は河村市長を追認。自民党議員は「憲法では表現の自由は公共の福祉によって制限される」などと発言し、日本共産党の江上博之幹事長が訂正を求めました。

(9月15日 しんぶん赤旗)