愛知県で開催中の国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」が展示中止に追い込まれた問題で13日、同企画展の実行委員会が展示の再開を求める仮処分を名古屋地裁に申し立てました。
申し立ては企画展の中止について、憲法21条が保障する表現の自由を侵害するとともに、10月14日の会期末まで展示される契約を履行していないとして、あいちトリエンナーレ実行委員会(会長・大村秀章愛知県知事)に会場入り口の壁の撤去と展示再開を求めています。
名古屋市内で会見した実行委の代理人中谷雄二弁護士は、河村たかし名古屋市長や菅義偉官房長官の発言後に展示が中止されたとして、「出品作家の作品は『検閲』を受け、表現の自由が侵害された。それを回復することが申し立ての趣旨だ」と話しました。
公的性格の強いトリエンナーレは、多様な表現を保障すべきだと強調。「(展示中止によって)表現者の人格的利益が侵害され続けている」と指摘しました。
抗議電話や脅迫ファックスにトリエンナーレ実行委が十分に対応しなかったことは問題だと述べ、「適切な対応をとれば今からでも再開できる」と強調。再開を求める協議にトリエンナーレ実行委が応じようとせず、申し立てに至った経緯を話しました。
企画展実行委の岡本有佳さんは、「中止から40日が経って残すところ(展示期間は)あと1カ月。トリエンナーレ実行委は誠実に協議に応じてほしい。仮処分の話し合いの場に出てきていただいて、どうしたら再開できるかともに考えてもらいたい」と話しました。
(9月14日 しんぶん赤旗)