国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた問題で、醍醐聰東京大学名誉教授、浪本勝年立正大学名誉教授、岩月浩二弁護士は15日、実行委員会会長の大村秀章愛知県知事に「企画展の再開を求める」署名を提出しました。
署名は醍醐氏ら研究者・弁護士9氏が呼びかけ、6日から14日までの短期間に6691人分が集まりました。県民文化局職員が応対しました。
醍醐氏らは「テロや脅迫などに屈することなく、行政が毅然(きぜん)とした姿勢を示し、憲法が保障する『表現の自由』を守るため展示再開を」と求めました。
県担当者は「県への脅迫などの数は減ったが今も続いている。再開へのハードルは来場者や職員、会場の安全の確保」と答えました。
実行委員会会長代行の河村たかし名古屋市長へも「発言の謝罪・撤回」を申し入れました。
3氏は県政記者クラブで会見を行いました。記者の質問に答え、醍醐氏は「日本政府は河野談話で日本軍による従軍慰安婦を認めている。首長らが事実を否定することはあってはならない」、浪本氏は「家永教科書裁判を思い起こす。検閲は憲法21条で明確に禁止している」、岩月氏は「公権力を持つ人たちの発言が契機で脅迫やバッシングが起こった。許されるものではない」と述べました。
(8月16日 しんぶん赤旗)