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リニアトンネル工事 大井川全量回復を堅持 静岡知事、愛知知事に説明

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事で唯一、本体工事に着工していない静岡県工区について、静岡県の川勝平太知事は5日、名古屋市で愛知県の大村秀章知事と会談し、大井川の流量減少問題の対応について説明しました。

 会談で両知事は、大井川の流量減少問題について、国が調整に入るという方向性は一致したと語りました。会見で、川勝知事は「国が調整に入った場合でも、大井川の水野全量回復という主張は変わらない。県民の水の問題だ」と強調しました。

 また、JR東海がトンネル工事で発生する湧き水を全量回復するとしていたのに、8月下旬に「約束ではない」として事実上撤回したことについて「水がめの水を取ってしまうという話。不測の事態が発生したと考えている」と話しました。一方、大村知事は「開業を遅らせないために、国の町政が必要との考えだ」と述べました。

 川勝知事は、JR東海がリニア開業時期の延期に言及した際も、「安全が第一」「多くの人の犠牲の上に建設されても何も意味がない」と述べています。

 一方、大村知事は、リニア工事は国家プロジェクトであり「まず工事に着手し、問題が起きればその時に立ち止まって考えればいい」と述べ、工事を認めない川勝知事を批判していました。

(8月6日 しんぶん赤旗)