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愛知県知事は住民守れ 大型開発見直しへ 環境団体が交渉

大村知事(右端)と話し合う、公害・環境団体の代表ら(左)=7日30日、愛知県庁

 愛知県内の約50の公害患者や環境団体などでつくる「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動実行委員会」は7月30日、大村秀章県知事と話し合い、環境を破壊する大型開発の見直しなどを要請しました。

 「いっせい行動」は1977年から毎年、市民団体が直接、知事に公害・環境問題で要請しています。

 今年の行動には18団体34人が参加。事前に提出した要請項目は、リニア中央新幹線、設楽ダム、IR誘致・カジノ設置、健康被害補償制度、河川の環境基準です。

 会長の野呂汎(ひろし)弁護士は「知事と住民が直接話し合える貴重な場。住民が何に困っていて、どう改善してほしいのか、具体的に要求を伝え、実現を求めていきたい」と話しました。

 リニア中央新幹線では、JR東海による住民への説明不足が話題に。そのうえで、リニアを問う愛知市民ネットは「知事には昨今、県民の安全・安心よりも、リニア2027年開通を至上目的とする発言が相次いでいる。知事にとって、県民の生命・健康・財産を守ることよりも、リニア開通のほうが大切なのか」とただしました。

 大村知事は「JR東海には、工事内容など丁寧な説明を踏まえ、工事の安全や環境保全に万全を期して、着実に進めていくよう要請している」と述べ、リニア推進の意向を表明。市民側は「リニア工事で住み慣れた町を追い出された人がいる。知事の発言は、国策だからみんな従えと聞こえる。こんな立場をいつまで続けるのか」と批判しました。

 設楽ダムは、東三河地域の人口減で上水道の需要が減っていくことから、ダムの必要性が問われています。大村知事は「春に宇連ダム(新城市)の貯水率が0%になり、非常に厳しい状況。ダム建設は東三河の総意」と述べました。設楽ダムの建設中止を求める会は「0%でも水供給は断たれることなく、整備された豊川用水の水源施設が渇水に強いことが証明された。主要5市の水道計画では今後水需要は減っていく」と批判。「ダム建設に適さない場所であることが報告されており、本体着工はやめるべきだ」と求めました。

 政府がIRとカジノを一体に考えていることから、中部国際空港・関連開発問題を考えるネットワークは「ギャンブル依存症の最大の対策は、ギャンブル場をつくらないこと。カジノ誘致を検討の対象としないこと」を要請しました。

 知事との話し合いの後、各団体が関係部局と話し合いました。

(8月2日 しんぶん赤旗)