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備え・判断・行動大切 伊勢湾台風60年で講演会

防災対策について学んだ講演会=1日、名古屋市港区

 今年は伊勢湾台風から60年。名古屋市港区で1日、市民の防災意識を高めようと「伊勢湾台風60周年と防災の今」をテーマに講演会が開かれ、会場いっぱいの100人近い市民が参加しました。名古屋法律事務所みなと事務所の開設5周年企画です。

 伊勢湾台風は1959年9月26日午後6時ごろに紀伊半島の潮岬付近に上陸し、東海地方を中心に甚大な被害をおよぼしました。全国集計で犠牲者(死者・行方不明者)は5098人、うち愛知県3351人(うち名古屋市1900人)、流失・全半壊家屋は約16万戸でした。

 主催者あいさつで加藤美代弁護士は「伊勢湾台風の医療支援に入った医師の父とともに名古屋に来ました。子どもだったが悲惨な被害の状況を覚えています。今後の大規模災害に備え、防災の基本的な知識や技術を学ぼうと企画しました」と述べました。

 元名古屋市消防局職員で減災支援センター

の吉村隆センター長が講演しました。吉村氏は伊勢湾台風、昨年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の被害状況を詳細に報告。「災害で一番大事なことは死なないように自分で考え、判断し、行動すること」と強調。火災や地震・津波の対策を説明し、「豪雨、台風と違って予測が困難。突然襲ってくるので日ごろの準備が大切」と述べました。

 吉村氏の指導で参加者全員が、災害時に頭や首(頸椎)を守る訓練もしました。

 参加した女性(71)は「小学生の時に南区に住んでいて伊勢湾台風の直撃を受けました。早く避難したので命は助かりましたが木造の家は全壊しました。南海トラフ地震も予想されるので、国や自治体は防災対策をしっかりしてほしい」と話しました。

(6月7日 しんぶん赤旗)