「性暴力のない明日のために、私たちは沈黙しない」と題した初めてのトーク集会が2日、愛知県内で開かれました。SNSを中心に参加が呼びかけられ、名古屋市中村区の会場には、予想をはるかに上回る約90人が参加。性暴力の実態を知り、撲滅のために何を運動していくのか熱心に話し合いました。
日本共産党愛知県委員会と弁護士、労組関係者、議員予定候補らで構成する「ハラスメント撲滅プロジェクト」の主催。
■ 裁判事例を紹介
ゲストには、性暴力・DV・虐待などのトラウマを抱える方のための支援グループ「Thrive」代表の涌井佳奈さん、みえ施設内暴力と性暴力をなくす会事務局長の春日水鳥さんが招かれ、活動内容や性暴力の実態など報告しました。
涌井さんは、裁判などの事例を紹介しながら、「支配と被支配の関係の中に性暴力があり、地位や立場を利用され抵抗できない」と指摘。「被害の現状、当事者の声を聞いて、現状にあった法制度ができてこそ、支援や教育につながる。性で傷つく人が一人でも減る社会していく大きな動きにしていきたい」と述べました。
春日さんは児童養護施設での児童間の性暴力の実態を告発し、厚生労働省を動かしてきていると報告。「心のケアとともに子どもたちを長く見ていくことが重要。子どもたちが安心して暮らし続けられるよう、施設内に専門職配置が必要」と問題提起しました。
マタハラ弁護団東海の田巻紘子弁護士がつとめ、「命をおびやかされるような『暴行・強迫』がなければ、強制性行等罪が成立しない今の運用には反対」と話しました。
日本共産党の本村議員は国会と刑法の3年後の見直しの現状を報告しました。内閣府の性暴力被害者支援交付金が2019年度予算で不十分ながら微増し、愛知県では今年の3月議会での党県議団(当時)の質問で被害者支援事業費が新設されたと紹介。昨年6月に野党6党1会派が国会に提出した「性暴力被害者支援法案」を、与党が審議入りさせない事を批判し、「誰もが尊厳をもって自分らしく生きることができる社会をつくろう」と訴えました。
■ 「行動したい」
参加者から「今の社会が暴力を許してしまう環境にあることを知った。性暴力の被害者にも非があるという誤解は法制度の不備にあると思う。暴力をなくすために私も行動したい」など感想が寄せられました。
すやま初美参院選挙区予定候補は、共産党が戦前から「男女同権」を公然と主張してきたことをあげ、個人の尊厳、多様性が尊重される社会をめざしていると強調。「日本はハラスメントや性暴力の認識が国際社会から大きく遅れている。被害者の包括的な支援を行うワンストップ支援センターの充実や性暴力根絶につながる刑法の抜本的改正に力をあわせたい。国会でハラスメント撲滅を訴える議員を増やすために、国会にかけあがりたい」と決意表明しました。
(6月6日 しんぶん赤旗)