愛知県東浦町で町制70周年記念として製作された映画「バリアフリーかあちゃん」について、性的少数者団体「レインボーなごや」のメンバーは25日、「当事者に対する無理解や誤解がうまれかねない」として、東浦町長に町施設での上映を中止するよう申し入れました。町側は申し入れをうけ、7月7日に町内で予定していた上映を見合わせました。
同映画は、多様性を認める社会づくりをテーマに、町民有志「ひがしうら映画プロジェクト」が補助金約50万円を受けて撮影したもの。レインボーなごやが問題視したのは、体は男性、心は女性(MtF)として生きるトランスジェンダー(心と体の性の不一致)の主人公が、大勢の人の前で、当事者であることを明かすシーンです。周囲の人から「女の出る幕ではない」と言われた事に対し、実は男なんですとカミングアウトさせられる展開が「感動的なもの」として描かれている点です。
酒井徹共同代表は、「強制的なカミングアウトを感動的に描いており、このままの状態で情勢すれば、当事者に対する無理解や誤解が広まりかねないと懸念した」と話します。
レインボーなごやは、同映画の試写会(3月9日)を見て、で問題があると判断。プロジェクト代表に撮り直しなどの話し合いを求めてきましたが、協議できないまま、プロジェクト側が今月21日に上映の告知をしたことから、今回の申し入れに至りました。
(4月28日 しんぶん赤旗)