日本共産党の躍進で、暮らしの明日に希望がもてる日本をつくり、安倍政権に審判を下そうと、志位和夫委員長は30日、大激戦となっている静岡県浜松市と愛知県豊橋市・岡崎市の3カ所を駆けめぐり、「共産党の議席は、住民にとっての『宝の議席』です。何としても勝ち抜かせてください」と力を込めて支援を訴えました。各地で、通行人が携帯電話で写真を撮り、子ども連れの家族らも足を止めて聞くなど大きな注目を集め、膨れ上がった聴衆から「がんばれ」のかけ声と、大きな拍手が送られました。
浜松市中区で、ひらが高成県議候補、のざわ正司市長候補、市議候補5人、豊橋市で、しもおく奈歩県議候補、岡崎市で、きまた昭子県議候補が訴えました。
志位氏は(1)10月の消費税10%への増税ストップ(2)高すぎる国民健康保険料は値上げでなく値下げを(3)「住民の福祉の増進」という自治体本来の姿を取り戻す(4)憲法9条改定を許さず、平和を守る―という「四つの切実な願いをこぞって日本共産党に託してほしい」と訴え、共産党の提案を縦横に語りました。
静岡、愛知両県は4年前まで共産党県議の議席のない「空白議会」でした。志位氏は、共産党が議席を得たことで、(1)県議会で討論が復活するなど「議会らしい議会」となったこと、(2)県民の請願が議会に届くようになったこと、(3)福祉と暮らし、若者支援、教育、原発問題など、県民の声で県政が動くようになったことを具体的に紹介。「共産党が議席を得ることで、新鮮な風が吹き込み、議会が一変しました。この力をさらに大きくしてください」と訴えました。
■ 愛知県
愛知県政について志位氏は、財政力2位なのに、1人あたりの民生費は44位で、国保への県の補助金も最高の28億円からゼロになったと批判。一方で、治水・利水に役立たない設楽(したら)ダム建設に1480億円を投じ、リニア建設、中部国際空港で2本目の滑走路建設を、共産党を除く「オール与党」で進めていると批判しました。
志位氏は、前県議選でゼロから2議席になったことで、三つの変化が起きたと紹介。
第1は、空白時代に「開会前に終わっている」とまで報じられた県議会が、党県議団が無駄な大型開発や福祉切り捨ての議案に反対討論を行うなかで、賛否それぞれの討論が行われるようになり、記者から「議会らしくなった」と評価されるまでになったことです。
第2は、請願が2011~14年の13件から、この4年で91件と7倍になり、署名に必要だった押印をやめさせ、県民の声が届くようになったことです。
第3は、県議団の提案と県民の運動で、県政を動かしてきたことです。党県議団の「働き方に苦しむ若者に相談ができる場所があることを知らせるために、若者が集まる場所にポスターを作ってほしい」との提案にこたえて、県が3000枚のポスターを制作し、コンビニや大学に貼り出されたことを、志位氏がポスターの実物を示して紹介すると、聴衆から大きな拍手が湧き起こりました。
志位氏は、「こうした仕事ができるのは、共産党が議会の中では少数派でも、議会の外では多数の県民の願いと結び付いているからです。この宝の議席を守り、大きくしてほしい」と訴えました。
■ 静岡県
志位氏は、静岡県の財政力は全国7位なのに、1人あたりの民生費は最下位だと指摘し、赤字の静岡空港の借金返済と集客事業などに年間100億円を投入していると批判。浜松市政で、合区・再編は市民サービスを切り下げ、大企業にまわすお金をつくるものだと告発し、水道事業民営化で、安全で安い水道が危険にさらされていると批判しました。このもとで、ひらが県議の四つの実績を紹介しました。
第1は、空白時代には討論なしの一括採択から、ひらが県議が反対討論を行うことで、共産、自民がそれぞれ討論を行い、「議会らしくなった」ことです。
第2は、県独自の中小企業振興条例の制定を提案して制定させ、中小零細企業向け予算を今年度2・2億円つけさせたことです。
第3は、ひらが県議と県民の運動で、子ども医療費助成を18歳までに拡充したことです。静岡・浜松両政令市が対象外とされたことに、ひらが県議と両市議団の奮闘で、高校卒業までに引き上げたと紹介しました。
第4は、ひらが県議が知事に中部電力浜岡原発の「廃炉の決断を」と迫り、再稼働反対の署名を紹介するなかで、知事が再稼働反対を明言したことです。志位氏は「今度は、2議席にして知事に『廃炉』の決断をさせよう」とよびかけました。
(3月31日 しんぶん赤旗)