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高江ヘリパッド建設への愛知県警派遣〝自然破壊の暴挙に加担〟

報告集会で沖縄への思いを訴える小山さん=7日、名古屋市中区

報告集会に120人超

 愛知県民211人が、沖縄県高江ヘリパッド建設への愛知県警機動隊派遣は違法だとして損害賠償を求めている訴訟の第8回口頭弁論が7日、名古屋地裁(角谷昌毅裁判長)で開かれました。

 原告は、大村秀章県知事に対し、桝田好一県警本部長(当時)に約370万円を賠償させるよう求めています。2016年に派遣された機動隊員が反対住民を暴力的に排除したのは、本来の市民警察の活動を逸脱しており、愛知県が公金を支出し派遣したことは違法だと訴えています。

名古屋地裁 原告陳述

 原告1人と弁護士3人が陳述しました。

 沖縄県伊江島出身の小山初子さん(64)は「高江と伊江島が重なって見える」と指摘。伊江島が沖縄戦の激戦地となり、戦後も米軍の「銃剣とブルドーザー」によって耕作地を暴力的に奪われ、今も米軍基地が島の3割以上あり爆音が響いていると指摘。「これ以上、米軍基地が増えれば人が住めなくなる。一度壊された自然環境は戻せない。私たちの税金を使って暴挙に加担することは許せない」と話しました。

 中谷雄二弁護士は、沖縄県民の平和的生存権と抵抗権を土足で踏みにじる行為だと陳述。冨田篤史弁護士は、オスプレイの危険性を指摘し、「住民の生命・財産、平穏な生活を侵害する危険性を除去することなく、工事を遂行することは違法だ」と述べました。

 長谷川一裕弁護士は、県側の「高江住民の座り込みは道路交通法違反、工事妨害だから派遣した」との主張に対し、「現場は車の往来も少なく、道路交通の安全を損なうものではない。住民は非暴力を徹底し、命と安全、平和的生存権を守る手段は座り込む以外になく、正当な表現の自由の行使だ」と反論しました。

 弁論終了後、原告の報告集会には120人以上が参加。全員で「今こそ立ち上がろう」を歌いました。

(2月10日 しんぶん赤旗)