3日投開票の愛知県小牧市議補選で、日本共産党の山田美代子さん(64)が定数1で議席を勝ち取りました。当選後、山田さんのもとには「私は自民党だけどおたくにいれたよ」「期待しているからね」と続々と声が寄せられています。山田さんは「期待の声に応えてがんばりたい」と決意を新たにしています。
山田さんは前回衆院比例票3・61倍の1万3920票(得票率32・86%)を獲得し、無所属の新人3人を破って初当選。党市議団は現有3から4議席に前進し単独第2党に。議席占有率を過去最高の16・00%としました。
選挙戦で山田さんは、建設費50億円の新図書館計画と、22億円のこども未来館計画の見直しを訴えました。
■ 住民投票で否決も
「小牧の図書館を考える会」の共同代表として運動してきた山田さん。2015年には住民投票を実現しツタヤ図書館計画を否決に追い込みましたが、ばく大な税金をかけた新図書館計画が復活。「こども未来館」の是非を問う住民投票にも取り組み、1万人分の署名を集めたにもかかわらず山下史守朗市長や自民・公明の議員らは実施に背を向けました。
山田さんは「住民投票の結果を無視し、市民の声を聞かない市政をなんとしても変えたい」と力を込めて訴え。巨額のハコモノを作らなくても市民のための図書館はできると主張し、税金の無駄遣いをやめ国保税引き下げなど市民の暮らし応援に使うべきだと訴えました。
支部や後援会員らは横断幕を掲げ「50億の図書館いらない」と連日宣伝。ビラ配布、テレデータでの電話作戦で支持を広げました。
選挙に取り組んだ党員らは「これまでにないような期待が日に日に広がるのを感じた」と口ぐちに話します。「図書館に立派なハコモノはいらない」「自民党だが、こういう問題でモノ申せるのは共産党しかいないと思う」など党派を超えた期待があちこちで寄せられました。
こども未来館計画などの契約をめぐる情報漏洩疑惑や契約文書の改ざん疑惑もあり、「隠ぺい改ざん嘘つきの安倍政権と一緒だ」などの怒りの声も寄せられました。
■ 市民と一緒に運動
選対本部長の竹内里美さんは、「共産党が図書館や未来館問題を議会で追及し、市民と一緒に運動して無駄遣いを止める先頭に立ってきたことが評価されたと思う。地域で30年間クリーニング店を営み、民生委員なども務めてきた山田さんへの信頼も厚かった」と語ります。
同日投票の市長選では山下市長が再選しましたが前回から得票を減らしました。市議補選には市長派の候補を立てることができず立候補した4人中3人が新図書館・未来館の見直しを訴えました。
安江美代子市議団長は、「この間の市民の運動が市長の側を追い詰めた結果だと思う。市議会第2党になったパワーでさらに追及を強めたい」。山田さんは「市民の声を無視した新図書館と未来館建設ストップへ、期待の声に応えて共産党議員としてがんばりたい。高齢者の福祉の充実など住民の要望を聞き、実現させるために働きたい」と話しています。
(2月6日 しんぶん赤旗)