最終盤となった愛知県知事選(3日投票)。「豊かな財政力を、大型開発ではなく、教育・福祉に生かそう」―。「革新県政の会」のくれまつ佐一候補(62)の訴えが、日増しに支持を広げています。
■ 3日投票、最終盤
争点は鮮明です。安倍政権言いなり、県民置き去りで大企業応援の大村県政を続けるのか、それとも県民の立場で安倍政権にモノを言い、県民を守り、暮らし第一のくれまつ候補を知事に選ぶのか。
大村秀章候補の出発式には、自民党、公明党、国民民主党、立憲民主党の国会議員、連合愛知会長などがあいさつ。これに対し、くれまつ候補は、日本共産党、新社会党、緑の党・東海が推薦し、自主投票の社民党は県連副代表が応援演説。労働組合、中小業者、女性団体など700団体以上が推薦決議をあげています。
■ カジノ誘致反対
大村候補は、安倍政治に直結して推進してきた「リニア・ジェット・FCV(燃料電池車)」が不調のため、今度は「リニア・産業首都・ジブリパーク」だと主張しています。自民党に言われるがまま、事業費2000億円の中部国際空港2本目滑走路、設楽ダム、国際展示場(常滑市)などの大型開発が目白押し。カジノ誘致を検討しています。
くれまつ候補は、「大企業優先の大型開発は時代遅れ」と批判し、中小企業こそ支援すべきだと主張。「県民から金を巻き上げるカジノは絶対に反対」と訴えます。
さらに、安倍政権の冷たい政治から県民の暮らしを守る防波堤の県政になるべきだと強調しています。
愛知県の財政力指数は東京に次いで全国2位。ところが、児童・生徒一人あたりの教育費は小学校45位、中学校47位、高校44位、特別支援学校46位(総務省統計)と全国最低レベルです。くれまつ候補の指摘に対し、大村知事は「1校あたりの予算は小学校が7位、中学校は8位」と言い訳しますが、くれまつ候補は「今は子ども一人ひとりへの丁寧な対応が必要で教員の負担も大きい。マンモス校化が顕著であることを自ら認めているようなもの」と反論します。
県立高校の「汚いトイレ」の問題では、くれまつ候補がネットで拡散すると、女子高生が次々にアクセスし話題に。大村知事も告示直前に約5300基のトイレ改修を表明せざるを得なくなりました。
子ども医療費の助成では、財政力全国7位の静岡県が18歳までの医療費を無料にしているのに、2位の愛知県は、どうして通院が小学校入学前までなのかと指摘。「お金がないのではなく、お金の使い方が間違っている。今やるべきは県民の生活を応援する市町村を土台から支えることだ。県知事になれば、すぐにでもできる」との訴えに熱い拍手が送られます。
■ 国保補助復活を
高齢者や若者の4人に1人にのぼる非正規雇用労働者らが加入する国民健康保険では、県が打ち切った28億円の補助をただちに復活させ、高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げると訴えます。
くれまつ候補を応援する輪も広がっています。選挙事務所内にはキッズルームもあり、子ども連れの母親が次々に訪れ、支持を広げています。3児とともに訪れたお母さんは「政治に声をあげるって大変だけど、すごい大事だと思う。子育てを応援してくれる、くれまつさんが知事になってほしい」と笑顔で語ります。
革新県政の会は、くれまつ候補の勝利で、「サヨナラ安倍政治」「サヨナラ大村県政」にしようと、宣伝・対話を強めています。
(2月1日 しんぶん赤旗)