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安保法違憲 正義示せ 元裁判官・元自衛官ら陳述

報告集会で発言する水上さん(左側)=19日、名古屋市中区

 安保法制は違憲であり、平和的生存権や人格権を侵害されたとして、東海地方の221人が国に1人あたり10万円の損害賠償を求めた「安保法制違憲訴訟」の第1回口頭弁論が19日、名古屋地方裁判所(末吉幹和裁判長)で行われました。国は請求棄却を求めました。

 2008年のイラク自衛隊派遣差し止め訴訟(名古屋高裁)で、画期的判決を出した元裁判長の青山邦夫弁護士が意見陳述し、「安保法制は集団的自衛権の行使を容認するもので憲法9条の解釈として到底認められない。憲法の基本原則である平和主義を否定する極めて重大な憲法違反だ。裁判所が違憲であると判断で明らかにすることを望む」と話しました。

 原告の元自衛官・水上学さん(45)は「安倍政権は9条を平然と踏みにじり、自衛官を海外の戦争に派兵させ、殺し、殺される存在にしようとしている。戦争は最大最悪の人権侵害であり、環境破壊であり、憲法を真っ向から否定するもの。憲法までも変えようとするのはもってのほか」。元判事の下澤悦夫さん(77)は「安保法の制定は、立憲主義と憲法を破壊する暴挙で、なし崩しに戦争への道を歩みつつある。平和憲法を擁護することを使命とする裁判官としてはたらいら40年の職業人生を否定された。集団的自衛権を推進する勢力と反対する勢力の間で、いずれの側に正義があるのか決定する権限は裁判所をおいてほかにない」と訴えました。空自衛隊岐阜基地のある各務原市在住の寺田誠知さん(69)は「基地の町の知事会長として、住民の命と暮らしを守るために二度と戦争をおこしてはならないと思っている」と話しました。

 口頭弁論後行われた報告集会には、会場に入りきらないほどの原告やサポーターら100人以上が詰めかけました。

(12月21日 しんぶん赤旗)