「あなたの勇姿を忘れない」―。翁長雄志沖縄県知事を偲(しの)ぶシンポジウムが24日、名古屋市瑞穂区で開かれました。愛知県在住の沖縄出身者や辺野古米軍新基地建設反対運動に取り組む人など70人が参加。翁長氏の業績と思いをふりかえり、「これからの沖縄と愛知」を語り合いました。
主催は沖縄出身者らでつくる「翁長知事を偲ぶ ちむどんどんの会」。呼びかけ人で美ら島沖縄大使の阪井芳貴氏(名古屋市立大学大学院教授)が「翁長知事が亡くなり、これから沖縄はどうなるのか、なにをすべきかと考え、シンポを呼びかけた」と話しました。
パネリストは5人。「ダイビングが趣味」という中出友里子さん(保育士)は、「新基地建設阻止の座り込みに参加したこと発言。「辺野古のことを知ったら、何も行動せずに子どもたちの前に立てない。米軍への思いやり予算ではなく、子どもたちのための予算を増やしてほしい」と強調しました。与那国島出身で美ら島沖縄大使の浜盛重則さんは「海の透明度は世界から称賛され、観光客は1000万人を超えようとしている。その海を埋め立てようとするのは許せない」と述べました。
愛知沖縄県人会連合会事務局長の仲宗根広子さんは、岡崎市で沖縄まつりを開き、沖縄のたどってきた道を紹介していると報告。戦争と平和の資料館「ピースあいち」の吉岡由紀夫さんは、米軍普天間基地に隣接する普天間第二小学校を見学した経験を語りました。
翁長知事の業績をたたえ知事就任から現在までの新基地建設阻止運動をまとめたビデオも上映されました。
参加した保育士の女性(29)は「戦争は終わったはずなのに、米軍基地はそのままっておかしい。翁長知事の思いを継いでいる玉城デニーさんが知事になってほしい」。母方の叔父が沖縄戦で亡くなったと話す宮野博之さん(77)は「翁長知事がオール沖縄でたたかう姿は、沖縄の本土復帰をめざす運動を思い起こした。基地をなくして、自然豊かなで平和な島を取り戻したい」と話しました。
(9月26日 しんぶん赤旗)