「小中学校の教室にエアコン設置を」―。猛暑のなか校外活動に参加した小学1年生が熱射病で死亡した事故(7月17日)があった愛知県では、住民と日本共産党が「猛暑から子どもの命を守れ」と運動し、公立小中学校の普通教室へのエアコン設置を急ぐ自治体が広がっています。
文部科学省によれば、小中学校の教室エアコン設置率(2017年4月1日)は全国平均49・6%に対し、愛知県は35・7%と大きく遅れています。
愛知県教育委員会の調査(今年4月)では、小中学校の普通教室全てにエアコンを設置しているのは、54自治体中、名古屋市、春日井市、刈谷市など10市町村しかありません。
痛ましい死亡事故が起きた豊田市では、普通教室の設置率はゼロです。数年前からエアコンの設置を求めてきた新日本婦人の会は、事故をうけ市教委だけでなく文科省にも要請。大村よしのり市議(県議予定候補)らは「二度とあってはならない事故。緊急の手立てを」とエアコン設置計画の前倒しを要望。市は2021年度までに完備する予定を大幅に前倒しし、小学校は来年6月末までに、中学校は来年度末までに整備すると発表しました。
隣の岡崎市でも日本共産党市議団が何度も市議会でエアコン設置を要求してきました。豊田市の事故直後から、市民に「エアコン設置を求める請願署名」を呼びかけると、「署名したい」「暑過ぎて給食をもどす子がいる」、「体調を崩して保健室に来る生徒が例年より多いらしい」など大反響がありました。
市は2020年6月までに全67小中学校1194教室に設置すると発表。9月議会に設計予算1300万円を計上します。きまた昭子市議(県議予定候補)は「市民と日本共産党が力を合わせ運動した成果。財政力が弱い自治体でも設置できるよう、県が補助金を出すように求めていく」と話しました。
あま市でも党市議団が署名を呼びかけると、1カ月足らずで200人を超える署名が寄せられました。市長は「9月議会に調査や設計費を盛り込んだ補正予算案を提出する」と表明しました。
東浦町は、「暑さを体験するのも選択肢の一つ」と発言していた町長が急変。12月議会に補正予算を計上し、小中学校の普通教室にエアコンが付くことに。繰り返し要求してきた共産党町議団は「設置工事に町内の中小業者が参加できるよう」求めています。
大府市は市内全13校の普通教室に来年5月までに、愛西市は来年夏までに全小中学校に整備すると発表。江南市、大治町、武豊町なども全教室の設置を決め、9月議会に設計費などの補正予算案を提出する予定です。
エアコンの整備費は国が3分の1を補助し、残りは自治体負担。愛知県の助成はありません。8月末現在、名古屋市など老朽化したエアコン更新を含め、四十数自治体が国に申請を予定しています。
共産党県議団・県議予定候補らは、県独自の補助を申し入れています。わしの恵子県議が「財政力が全国2位なのに立ち遅れている。県が財政支援して促進すべき」と強く求めました。
文科省には、日本共産党の本村伸子衆院議員、すやま初美参院選挙区予定候補らが国庫補助の増額を要請しました。
(9月2日 しんぶん赤旗)