あいち年金者組合女性部は22日、名古屋市北区の市総合福祉会館で「平和を語るつどい」を開き、組合員ら112人が参加しました。会場には血に染まった日章旗や軍服、黒ずんだ水筒や飯ごうなどの戦争遺品が展示され、参加者は熱心に見入っていました。
女性部は毎年夏に「つどい」を開き、今回が26回目。今年のテーマは「私たちは拒否します。戦争と核兵器」です。
開会あいさつで年金者組合愛知県本部の伊藤良孝委員長は「安倍首相が改憲案の国会提出など改憲スケジュールを明らかにした。安倍政権は核兵器禁止条約にも参加していない。3000万人署名、ヒバクシャ国際署名を広げて、安倍首相の野望を打ち砕こう」と述べました。
第五福竜丸展示館(東京都江東区)の市田真理学芸員が「核廃絶の原点と道筋」と題して記念講演。ビキニ環礁でアメリカの水爆実験に巻き込まれた第五福竜丸の当時の状況や、これを機に広がった反核運動を報告し、「展示館で第五福竜丸は核のない未来に向かって航行中」と強調。「ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ。忘れないこと、学ぶこと、自分で考え、伝えることが大切」と訴えました。
会場トークで港区の男性(87)は「父は海軍水兵だった。終戦間際に乗っていた軍艦が出撃し撃沈された。父は怪我で入院していて乗艦しなかったが戦友の大半は戦死した。父は戦友を偲び『二度と戦争はしてはならない』と言っていた」。春日井市の男性(83)は「戦争を知らない若い世代に戦争の悲惨さや平和の大切を伝えるのが、私たち戦争を体験したものの責任」。元高校教師の男性(79)は「各地で中高生が被爆者から体験を聞き『原爆の絵』を描いている。心強く思う」と語りました。
フーナーレは参加者全員で「かけがえのない人生を」などを大合唱しました。
(8月25日 しんぶん赤旗)