今年度から正式教科になった小学校での「道徳」に続き、2019年度から中学校でも授業が始まります。愛知県では、中学校で使用する教科書の選定作業が進んでおり、各地で教科書展示会が開かれています。期間は8日から7月2日の約1カ月間です。
県民から、どんな教科書が「道徳」の授業に使われるのか不安だとの声がでています。
今回選定される教科書は8社。学習指導要領が定める「節度、節制」「思いやり、感謝」「愛国心」など22項目の徳目を満たさなければ検定に合格しません。専門家からは、国を愛する方向へ誘導する構成が目立っていると指摘されています。
文科省は強化かにあたり、「数値評価での子ども同士の比較、入試での活用はしない」としていますが、5社の教科書は、生徒に3~5段階で「自己評価」をさせる欄を設けています。「自分の内心を数値で評価させるもので、子どもの考え方を縛ることになりかねない」との懸念の声があがっています。
初日の8日、鶴舞中央図書館の展示会に訪れた女性(48)は、「小学校の教科書には安倍首相の顔写真が載っていました。なんでこの人が道徳に出てくるのか、わからない。中学校の教科書もしっかりと見比べて意見を出していきたい」と話ました。
今回初参入した「日本教科書」社は、安倍首相の政策ブレーンの八木秀次氏が設立。今の代表には、侵略戦争を正当化し、韓国を誹謗(ひぼう)中傷するヘイト本などを多数出版する出版社会長が就任するなど安倍首相の政策と深い関わりがあります。
新日本婦人の会愛知県本部は、「道徳の強化か許さない」と班で展示会に出かけ、意見を書こうと呼びかけています。
(6月9日 しんぶん赤旗)