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仕事がきつい 生きづらい それ、政治のせいかも 名古屋で若者ら語り合う

 「なんとなく気が重い…それ、政治のせいかも」―。保育士や学生など若者が語るパネルディスカッション「若者と政治」が26日、名古屋市内で開かれました。暮らしと法律を結ぶホウネット(名古屋北法律事務所友の会)が結成15周年記念で企画したもの。会員ら70人が参加しました。

 討論を前に、南出吉祥・岐阜大学准教授が「曖昧な生きづらさと『政治』とのあいだ―奪われた声を取り戻すために」と題して基調報告。「人々の声と声を突き合わせ、調整し、せめぎ合っていくという『政治』の原点の回復を」と呼びかけました。

パネリストは保育士の近藤志保さん、金子晴佳さん、エキタス東海の高橋直幸さん(大学2年生)、『日本国憲法を口語訳してみたら』著者の塚田薫さんの若者4人。南出さんが司会をしました。

■ 不満はあるけど

 「職場や学園の周りで社会や政治の話題は?」の問いに、近藤さんは「仕事がきついという不満の声はどの職場でもあるけれど、組合がない保育園では、『政治変えよう』などの声はあがらず、愚痴に終わっている」。金子さんは「保育士になって3年目。労働条件が厳しく、園長や理事者に交渉することもできず、何も言ないまま何人も退職していく」、高橋さんは「学内には社会や政治の話をすると冷たい目で見られたりする。一人だけ、はみ出したくない雰囲気がある」と話しました。

 近藤さんと金子さんは、先輩保育士から労働組合(福祉保育労)に誘われ加入したと紹介。「労働組合というと固いイメージだったけど、ほっこりした感じで会議をしている。組合企画のパーティーはワイワイおしゃべりし、楽しい」と語りました。

 塚田さんは学生時代、友人から「憲法?なに?」と聞かれ、「憲法前文は、戦争みたいなひどいことを起こさないと決めて、国の基本は国民にあることを声を大にして言うぜ」と口語訳で話したのがきっかけだったことを紹介。「インターネット上で発表し、反響を呼び、その後は様々な取り組みに関わってきた」と言います。

■ 運動に励ましも

 「運動して嬉しかったこと、楽しかったことは?」では、近藤さんは「3月に30分の時限ストライキをおこなった時、保護者から苦情があるかと思ったら逆に『仕事がきつく給料も安くて大変ね。がんばって』と激励され感激した」。高橋さんは「エキタスは上下関係なし。リーダーなし。宣伝行動も都合のいい時に自由に参加でき、自分の思いを自由に話せる」と話しました。

 「年長者に言いたいことは」も問われ、「憲法9条について賛成、反対か。理由も説明せず、同意を求められると、若者は意見を言えない」、「政治的な集会に若者の参加が少ないため、たまに参加すると『意見を述べろ』と迫られ、次からやめたくなる」などの意見が出されました。

(5月30日 しんぶん赤旗)