愛知県知事選を10カ月後に控えるなか、革新県政の会は13日、大企業奉仕・大型開発に熱中し、県民をないがしろにする大村県政のゆがみを現場で実感する「県政ウォッチング」を行いました。
視察したのは、軍事産業の拠点化が進む航空自衛隊小牧基地と、JR東海が進めるリニア中央新幹線の工事現場。雨の中、33人が参加しました。
小牧基地では、あいち航空ミュージアム(豊山町)の展望デッキから、小牧基地と滑走路を供用する県営名古屋飛行場に離着陸する民間機、小牧基地に隣接して立地する三菱重工の向上、駐機されている自衛隊輸送機などを見ました。
■ 空港が戦争拠点
県原水協事務局の横江英樹さんが基地内の施設を説明します。小牧基地には、空中給油と空輸ができる部隊があります。三菱重工の工場が米軍のF35の整備拠点に指定され、県営名古屋空港が戦争の拠点になるような動きが強まっています。
横江さんは、以前配備されていた戦闘機部隊が使用したアラートハンガー(戦闘機用格納庫)が今もあることを示し、「いらなくなった施設なら撤去するのに、ここでは残しており、有事の際に使う可能性がある」と指摘。米軍機の重整備を行うリージョナルデポが小牧基地内に設置されることから、県営飛行場が米軍共同の軍事基地になっていく危険性を強調しました。
■ 住宅地でも開発
リニアの工事現場は、春日井市の坂下非常口を見学しました。春日井リニアを党会の川本正彦さんが現地を案内しました。川本さんは、坂下非常口の公示期間は24カ月、夜間の公示期間はその半分が予定されm生コンの打設が行われる時は1日で6000台のミキサー車が現場に出入りすることを紹介。「午前7時から午後7時まで、1分に1台、ミキサー車が行きかうことになる」と述べました。
参加者は大粒の雨の中、フェンスに囲まれた現場周辺を1周しました。途中、小高い丘から、直径40㍍にも及ぶ巨大な非常口が空いているのが見え、住宅地の中で進む開発の光景に驚きました。
さらに参加者は、春日井市の不二が丘地区に移動。リニア新幹線が亜炭坑跡付近を通過するとされる地域です。春日井市の調査で亜炭鉱跡の存在が複数指摘されています。
川本さんは「JR東海は2カ所のボーリング調査しか行っていないのに、亜炭坑はないといっている。2カ所だけでは、亜炭坑跡は見つからない」と批判します。さらに「亜炭坑跡には今、水が入っているが、トンネル工事で水が抜けたら、陥没するかもしれない」と述べ、付近の中部大学構内で陥没があったことも紹介しました。
環境破壊、住民無視のリニア中央新幹線に期待する大村県政への批判も出されました。参加した名古屋市緑区の藤沢真砂子さん(75)は「空港、リニアについて、大村県政は、大阪府知事、大阪市長だった橋下氏のような派手な言い方はしないが、財界のための県政をすすめていることを感じた」と話しました。
(5月19日 しんぶん赤旗)