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9条守りたい 願い込めて 絞り染めのこいのぼり泳ぐ

ご近所の力を借りて絞り染めこいのぼりをあげる宮田さん=名古屋市緑区

 名古屋市緑区の住宅地に、絞り染めこいのぼりが泳いでいます。子どもたちの成長と平和への願いを込め宮田公代さん(76)が手作りしたもの。約30年にわたり毎年地域の人を楽しませています。

 「わぁ、きれい」。4月末、宮田さんが玄関先でこいのぼりを広げていると近所の人が集まってきました。近所の子どもも「いいね」と見上げています。

 昨年のけがで手がしびれるため、染め直しの作業も玄関先にあげる作業も大仕事。ご近所の力を借り、今年も鮮やかなこいのぼりが青空に映えました。

 宮田さんたちは2015年の安保法制強行後、「尾崎山ご近所の会」として毎月スタンディングを続けています。「安倍政権の9条改憲は絶対に止めないかん」。ハトの模様に染め抜いた青いこいのぼりには平和への願いが込められています。

 初めてこいのぼりを作ったのは40年ほど前。伝統工芸品「有松・鳴海絞り」の産地である緑区に移住し関心を持ちました。作り方を紹介する新聞記事を見て作り始め、孫の名前のこいのぼりなどさまざまな柄に挑戦。

 宮田さんは大企業で働きながら母性保護、保育所づくりなどに奮闘してきました。活動のなかで仲間と一緒にこいのぼりを染めたことも。絞り染めこいのぼりは仲間とつながる要求の一つとしても広がりました。

 現在、夫の介護や自身の病気とたたかいながら、地域の高齢者の生活を支援するなど地道な活動を続ける宮田さん。絞り染めこいのぼりは、今ではご近所の活動の「ちょっとしたシンボル」に。「子どもや孫たちに平和な世界を残したい。憲法9条を傷つけずに手渡したい」。願いを乗せたこいのぼりは、気持ちよさそうに新緑の風をうけていました。

(5月5日 しんぶん赤旗)