ニュース

「今日が出発点」原爆症 逆転勝訴 報告集会で喜びと決意

 原爆症を認定しなかったのは不当として、被爆者2人が国の処分を取り消すよう求めた新しいノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟の控訴審判決は7日、名古屋高等裁判所で逆転勝利判決を勝ち取り、報告集会には支援者ら100人が参加。喜びに包まれました。

 名古屋高裁は長崎で被爆した高井ツタヱさん(82)、山田初枝さん(85)姉妹の請求を棄却した名古屋地裁判決を破棄し、姉妹を原爆症と認定しました。

 報告集会に現れた高井さんがに大きな拍手が送られ、「勝利判決。おめでとう」、「長い裁判お疲れさま」と次々と声がかけられました。

 支援にお礼を述べた高井さんは、病気がうつると差別され職を転々としたことや、名古屋に移り住み、結婚した夫には亡くなるまで被爆者であることを隠し続けた苦しい時期を振り返り、「今日が出発点です。核のない世界、戦争のない世界をめざして、命果てるまでがんばっていきます」と新たな決意を語りました。

 支援者から「高井さんを招き『被爆体験を聞く会』を開いた。若い人に参加を呼びかけ会を開き、被爆者の『核廃絶の願い』を伝えていきたい」、「清須市でヒバクシャ国際署名すすめるため連絡会を結成した。駅頭などで署名宣伝行動をしている」、「福島原発事故から7年。核も原発もゼロめざし3月11日に大規模な集会パレードを計画している」などの発言がありました。

 被爆者団体は声明を発表し、「国は上告を断念し、原爆症認定制度の抜本的改正、核兵器禁止条約参加を表明し、核兵器廃絶の先頭に立つべきだ」と訴えました。

(3月9日 しんぶん赤旗)