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リニア工事即やめよ JR東海に愛知7団体

リニア中央新幹線工事をめぐる大手ゼネコンの談合疑惑事件を受け、リニア計画を考える愛知県内の7団体は10日、リニア工事の即時中止を求めてJR東海に申し入れました。

 リニア工事をめぐっては、東京地検特捜部と公正取引委員会が独占禁止法違反容疑で大手ゼネコン4社を捜査しています。

 こうした事態を受け、愛知県内7団体の代表らは、JR東海の中央新幹線愛知工事事務所(名古屋市)を訪問。JR東海の担当者に申し入れ書を手渡しました。

 申し入れ書は、疑惑が生じているゼネコンが工事を進めることは社会通念上認められないとして、これまでの工事契約をすべて解約して、すべての工事を中止することを求めています。

 リニア計画が3兆円もの公的資金を投入した国家的プロジェクトであるにもかかわらず、民間企業の事業だとして国会での議論を避け、住民への情報開示がされてこなかった問題も指摘。民間企業であることを隠れみのにした秘密主義と傲慢な態度を根本から改めることを要請しました。また、公共事業であれば公開される工事契約金額もリニア工事では一切公表されていないとして、これまでのリニア工事契約に至る全ての過程を明らかにすることを求めました。

 西区リニアを考える会の小川輝夫代表は、「公的資金が投入された事業で談合が疑われているのに、そのまま工事が進められることは許されない」と語ります。

 リニアを問う愛知市民ネットの小林收代表は、「そもそもJR東海にリニア計画の事業認可を受ける資格があるのか。リニアは国内初めての難工事であり、JR東海が技術的にゼネコンを評価・指導する能力がないのではないか」と指摘。リニアを考える愛知県連絡会の川本正彦代表は「JR東海は民間事業と国家的プロジェクトという二つの顔を使い分け、住民に不誠実な対応をとり続けてきた。JR東海がリニア事業について非公開にしてきたことが国民のチェックを困難にし、不正の温床となった。工事は中止し、事業認可した安倍政権と国土交通省の責任も問う必要がある」と話しました。

(1月12日しんぶん赤旗)