障害福祉分野は労働環境の厳しさから深刻な人材不足になっています。名古屋市中村区で開かれた、「障害福祉の仕事フェア2017(7日)の会場には約30の事業所がブースを設け就職相談会を実施。多くの人が訪れていました。
仕事フェアは、福祉に関わる仕事の内容や魅力を知ってもらい、人材確保につなげようと、名古屋市と市内のハローワークが開いたものです。
会場には障害福祉事業所の内容、事業所職員による障害者への支援風景の写真パネル、授産施設で作った製品の展示や販売コーナーもありました。
成人障害者を対象に授産所や介護施設を運営する事業所ブースを訪れた女性(28)は「福祉の仕事に関心があります。何か役立ちたいのですが、ヘルパーや介護士など資格をもっていません。大丈夫ですか」と質問。応対した女性職員(32)は「約8割が無資格で入社。入社後、8割の人が介護福祉士などの資格を取得します」。男性職員(41)は「私は福祉系でなく一般大学の卒業です。就職前は何の資格も持っていませんでした。作業を通して障害者の自立支援ができるのが嬉しいです」。と答えました。
介護施設を運営する法人ブースの女性職員(37)は「仕事の魅力や喜びは」について「一人で排便できなかった人が、歩行訓練を通じて単独でトイレに行けるようになりました。自宅復帰めざしがんばっている姿に喜びを感じます」と語りました。同ブースを訪れた60代の女性は「専業主婦です。先ごろ亡くなった義母の介護をしていました。何か役立ちたいですが就労に年齢制限はありますか」と質問。職員は「事業所によって異なりますが、私の職場は20代から70代まで働いています。介護施設では人生経験を積んだ職員が良き話し相手になり高齢者も安心します」と応じていました。
特別養護老人ホームを運営する事業所ブースでは、子どもを連れの女性(32)が「出産前まで病院で看護助手として働いていました。子どもの保育園入所が決まったので働きたいのですが、勤務時間はどうなっていますか」の問いに職員は、「子育てママに配慮した勤務シフトを設けています」など詳しく説明していました。
人材確保には自治体や事業所の努力だけでは限界があります。根本原因は安倍政権の社会保障予算の大幅削減方針があります。障害者施設や事業所では常勤職員の非常勤への置き換えが進み、介護護職場では職員の離職が後を絶ちません。
日本共産党は安倍政権に社会保障費の削減方針を転換し、国民の生存権と、社会保障推進に対する国の責務を定めた憲法25条にもとづき、公的制度を抜本的に拡充すべきだ」と強く求めています。
(12月16日 しんぶん赤旗)