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被爆者の思い継ぐ 核兵器廃絶へ 名古屋で集い

 「被爆者の核廃絶の思いを引き継ぐ」「被爆の悲惨さを友だちに伝える」―。名古屋市内で被爆者を励ますつどい(9日)が開かれ、被爆者の体験を聞いた人たちが核兵器廃絶へ、次々と決意を語りました。

 主催は、あいち被爆者支援ネット。原爆認定訴訟を支援しようと13年前に結成され、毎年「被爆者を励ますつどい」を開いてきました。今年は被爆者9人をふくめ30人が参加しました。

 開会あいさつで被爆者でもある沢田昭二・県原水協理事長が「今年は核廃絶へ一歩前進の年だった。国際的なNGOの連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞し、国連では核兵器禁止条約が採択され、批准、発効へ向かっている。条約不参加の日本や核保有国を変えるためにヒバクシャ国際署名を成功させよう」と訴えました。

 参加者はグループに分かれて被爆体験を聞き、支援者らが感想や思いを語りありました。

 原爆症認定訴訟(ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟)の控訴審判決(来年3月7日)を前に、原告の高井ツタヱさん(80)は裁判支援の感謝を述べ、長崎での被爆体験を話しました。1歳で被爆した水野秋恵・愛知県原水爆被災者の会(愛友会)事務局長は愛友会の運動を紹介し「高齢化した被爆者の願いは『一刻も早く世界から核兵器がなくなること』」と強調しました。

 県平和委員会の塚本大地さん(36)は「高校生の時に平和ゼミナールの仲間と原水爆禁止世界大会に参加してから20年近く運動している。被爆者の証言を映像で残す、「聞き取りプロジェクト」(聞きプロ)に取り組み、50人を超える被爆者の協力があった」。

国民平和大行進に毎年参加している男性(70)は「叔父がフイリピンのレイテ島で戦死した。二度と叔父のような戦死者を出さないため憲法9条は守らねばならない」と語りました。

 参加者から被爆者全員に記念品を贈呈。恩田明彦・愛友会理事長がお礼を述べ、「核兵器廃絶へ、健康に気をつけてがんばります」とあいさつしました。

(12月13日 しんぶん赤旗)