トヨタ自動車の城下町・愛知県豊田市で変化が起きています。労働組合のしめつけで「いつも民進党に入れてきた」というトヨタ社員や関係者、OBからも「比例は共産党にいれる」との声が聞こえてきています。
豊田市(稲武地区をのぞく)、みよし市を選挙区とする愛知11区。トヨタの本社が置かれ、トヨタ関連産業で働く有権者が多い地域です。そのため連合系の労組が支持する旧民主党・民進党系が強く、小選挙区導入の1996年以降も、選挙区で連勝しています。一方で自民党も比例復活で当選した前職がおり、地域で強い影響力を持っています。
ところが今回、民進党が希望の党に合流。民進党で5回連続当選の古本伸一郎前衆院議員は希望の党から立候補することに。組合は選挙区で古本氏の推薦を決めましたが、トヨタ関係者や家族のなかで迷いや変化が起きています。
15日の朝、共産党の本多のぶひろ11区候補の事務所に電話がかかってきました。大村義則市議が電話をとると、「トヨタ本社につとめています。以前から内心では共産党を応援していました。今回はいれます」。さらに電話が鳴りました。今度は女性の声で「豊田の有権者です。小選挙区の方は豊田なので入れられないが、今度は比例は共産党にいれます。がんばってください」と語りました。
別の日、元教員の男性が電話かけをしていると、折り返しの着信がありました。受話器を取ると、男性の声で「ずっとトヨタにいて、選挙区は希望(の党の古本氏)に入れるが、実は隠れ小池(晃)さんファンです」と言います。びっくりして名前を聞こうとすると、「名前は言えないけれど、がんばってください。比例は共産党に入れます」と電話をきりました。
根本美春市議は、元トヨタ社員という男性と対話に。「ずっと古本に入れてきたが、希望の党になったのがいかん! 今度は(共産党の)本多さんにしたで。比例も共産党だ」と向こうから語ってくれました。
男性党員(61)も、4月にトヨタを退職したという男性と対話に。「働いているときは組合の言うところに入れていたが、安倍さんを倒してほしい。共産党しかないと思っている。2票いれる」と。
拳母(ころも)南支部の山下仁(まさし)さん(64)が対話したなかでは、「主人がトヨタに勤めていて、主人のおすところにいれてきた。今回は古本さんも希望に行き、どうなるか分からん」と戸惑う声が聞かれました。
根本市議は、「本当に変わってきましたよ。おもしろい」。大村市議は、「トヨタの城下町として一企業が支配するような地域で党組織も小さいのに、こういう声が出てくること自体が本当にすごい。今ガラガラと変化が起きています」と言います。
その変化を結果に結びつけるため、「ここから、遅れている支持拡大でどれだけ共産党への声かけを広げられるか」。困難ななかでも「働く人の権利を守れ」「憲法、平和を守れ」と旗を掲げ続けてきた共産党躍進へ、候補者先頭に支部・後援会は連日宣伝、対話に全力をあげています。
(10月16日 しんぶん赤旗)