アジア・太平洋戦争の末期、愛知県東海・大府両市の境にあった大府飛行場(三菱重工名古屋航空機製作所知多飛行場)の拡張工事で強制連行・強制労働で亡くなった中国人を追悼する式典が9日、東海市の玄猷寺(げんにゅうじ)でしめやかに営まれました。大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会の主催で、今年で9回目。
中国駐名古屋総領事館の孔蘊宝(コウウンホウ)副領事、民進党の近藤昭一衆院議員、日本共産党の、しまづ幸広衆院議員、社民党の平山良平県連代表ら70人が参列しました。
拡張工事は旧日本陸軍の直轄事業で地崎組(現・岩田地崎建設、本社札幌市)が請け負いました。中国人480人が1944年11月から7カ月間、過酷な労働を強いられ、5人が死亡、傷病者は125人を出しました。
支援する会の石川勇吉代表委員は主催者あいさつで「今年は日中国交正常化45年、日中戦争開始から80年。安倍政権の『戦争する国づくり』が危惧される中、歴史に真摯(しんし)に向き合うことが大切。遺族を支援し、追悼することは日中友好発展につながる」と述べました。
来賓あいさつで孔副領事は「日本外務省の調べでは約4万人の中国人が強制連行され、6千人以上が亡くなった。今後の中日友好促進のため正しい歴史を、中国、日本の双方の若者に伝えていきたい」、しまづ議員は「昨年の戦争法、今年の共謀罪に続き、安倍首相は憲法9条を変えようとしている。再び日本が戦争をしないため改憲阻止に全力をあげる」と話しました。
式典では中国琵琶奏者のティンティン(宗婷婷)さんが追悼の琵琶演奏をおこないました。
(9月12日 しんぶん赤旗)